SSFF & ASIA 2017・今週は主に原宿ラフォーレと横浜ブリリア・シアターを中心に開催中です。
今日鑑賞した作品はアジア部門の二本とインターナショナル部門の数本・・・・、韓国作品「ヒッチハイク」はサスペンスモノっぽい展開で始まります。北と南に分断された同じ民族、スパイの嫌疑をかけられた容疑者と刑事の男二人。当初は反目していたものの酒やタバコを差し入れするうちに段々心を許すように・・・、ある雨の夜手錠でつながったままのふたりは外出を許可され、家族の話をきっかけに身の上を語り始め、やがて屋台に赴き盃を交わします。
敵国として対峙する二つの国ですが、置かれている状況、感情は我々隣国民の深く知るところではありません。が、こうしたシーンの積み重ねから垣間見ることのできる空気感みたいなものも映画だからこそ得られる魅力ではないでしょうか?
続く日本作品「ゆーことぴあ」は音楽を通して触れ合うミュージシャンと風俗嬢のおはなし。主演のふたりは映画経験ゼロに等しく、かえってリアルな芝居を見せてくれます.BGMとして使われるクリープハイプの楽曲が見事にいい仕事をしていて、全て持って行ってしまうような出来栄え。尾崎の歌声がなぜかショートフィルムと相性がいいと感じるのは気のせいでしょうか?監督の松井大吾は2016年, ssffミュージックVideo部門 「花瓶に花」で受賞した実力者です。
インターナショナル部門からも気になる作品がいくつか・・・・アイルランド作品「渋滞」は僅かなスキに行方不明となった愛娘をめぐり一大騒動に発展してゆく渋滞の列が物語の舞台。しまいには全員のトランクを開けて見せろ!!という話にエスカレートしますが2ボックス/ハッチバック車ばかりになってしまった日本の車社会では成立しなくなったストーリーかもしれません。
子供のいじめ、銃所持の問題を取り上げたアメリカ作品「Its just a gun」はとても重いテーマを捉えた意欲作。ふとしたことから落ちていた短銃を手に入れてしまった9歳の少年が巻き起こすハプニングにいじめや差別、銃規制の問題が絡んでくる見事なストーリー構成で淡々と語られる結末にかえって衝撃が強まります。
予告編の時間にはあの黒木瞳「監督」の最新作「わかれうた」が紹介されました。石野真子、尾美としのりらが同窓会に集まる元・若者たちを演じています。ラジカセ、深夜放送、ローカル線、キハ58気動車、中島みゆき・・・・懐かしいアイテムが目白押し。昭和30年代生まれにはグッとくる内容に違いありません。脚本は黒木、石野と同年代の井上由美子,YOUTUBE(ネスレシアター)で本日から無料公開開始です!サイズはショートムービーのサイズ・・・・で、来年は本格参戦か???
また、会場内では(原宿)VR;ヴァーチャルリアリティ技術を応用したショートフィルムのデモンストレーションもあり,(一部有料)360°全天全周の動画映像の迫力を体験できます。スマートフォンとゴーグルを組み合わせただけの安価な仕掛けですが画質は思った以上にクオリティが高く、この分野の成長がとても楽しみな視聴でした。グラビアアイドル=武田玲奈ちゃんの制服姿が初々しい「交際記念日」は教室の臨場感がリアルな作品です(予告編視聴は無料)