2017年06月29日
ディープ? or リッチ?
いまヒルズ・カフェスペースで営業中のブラック・ニッカ 香るバー(~7月9日)にて
ずっと気になっていたブラック・ニッカの飲み比べにトライです。
まずは中央のリッチ・ブレンド、口の中で賑やかに放たれる香りはバニラ・テイストのようでもあり、レーズンテイストのようでもあり・・・・でもサントリーの山崎ほど濃厚な感じではないし・・・・・・音楽で例えるならばブラスセクションが目立つシカゴのヒット曲っみたいな・・・・・
続いて右のディープ・ブレンド。こちらは深みのある味わいをグッと奥に秘めてジワジワと迫ってくるような・・・・・・・チェロを二本並べたデュオユニット;2CELLOS (トゥーチェロズ)みたいな趣です。同じブラックニッカでもここまで違う味わいと舌触り・・・・・・
お馴染みのクリア・ブレンドはもっとライトで、ピートを使っていない軽快な飲み心地。女子を短時間で効率よく酔わせるには最適かもしれません??
こうしたウィスキーの味わいを決める要素は殆どが樽詰めされてからの時間と環境。蒸留されたばかりの原酒には色も香りもほとんどありません。樽の中で熟成を重ねるうち独特の香りや風味が備わります。
そして、原料の大麦を乾燥させる時に用いられるのが「ピート(Peat)」。あまり馴染みのない言葉ですが可燃性の「泥」です。草や苔などが分解せずに堆積したもので北海道でも産出するものです。スモーク・チップを燻したような味わいの元はこれで、ウィスキーの国産化にあたっては会社の経営方針をも大きく左右する元凶ともなりました。竹鶴政孝(ニッカ社長)が鳥井信治郎(サントリー創業者)と袂を分かち、北海道の地を選んだのも、このピートに由来したとも言われています。今回試飲したクリア・ブレンドにはこのピートを使った乾燥工程は含まれていません。ニッカとサントリーのカラーの違いを決定的にしたピートですが、多様なニーズに応えるためには必要な選択だったのでしょうか・・・・