2017年06月14日

第三種ばかうけ遭遇

今、栗山米菓の「ばかうけ」が話題を集めています。DSCF9058.JPG映画・メッセージに登場する謎の物体がばかうけにそっくりではないかと世界が注目?監督も実は意識していたと告白したことで、ばかうけ議論は一層エスカレートしたようです。

アメリカ・モンタナ州や上海、北海道など中露を含む世界中に舞い降りた謎の大きな黒いバカウケ。その中央には地球の重力を打ち消す空間が有り、米陸軍の特命を受けた探査チームが決死の覚悟で潜入を試みるとガラスの向こうには巨大な大王イカが墨を吐いて待ち受けていた・・・・・・何がなんだかわけのわからない展開ですがちゃんとしたサイエンスフィクションです。

用心のために持参している鳥かごのインコは徃年のサティアン強制捜査の状況を思い起こさせますし、防護服に身を包んで巨大な物体に近づくシーンはやはりあの原発事故を連想せずにはいられません。そればかりか、強引な先制攻撃を仕掛けようと躍起になったり、各国の協調体制を打ち破ってまっさきに宣戦布告をふっかけようとする某大国があったり・・・・それはこの映画の撮影を終えたあとの、ここ数カ月の世界の動きを察知したかのような演出と見ることもできそうです。冒頭から息を呑むような緊張感が続く展開は007シリーズ以上の緊張感を強いられます。映画音楽の類も一切なし、効果音ともノイズとも受け取れる不思議なSEが余計に緊張感を高めています。

しかし、この映画の主演は米菓ではなくエイミー・アダムス、彼女の役どころは大学で言語学を教える元シングルマザー、知性と母性愛に溢れたキャラクターです。10年前に撮影されたディズニー映画:Enchanted「魔法にかけられて」でニューヨークに迷い込んだ天然系のプリンセスを演じた頃とは大違い。リアルに子育ても経験し、喜怒哀楽の様々な感情の起伏を求められる演技を余裕でこなしています。しかもほぼ全編ノー・メイクに近い彼女のアップのシーンが連続します。アラフォーになっても素顔で勝負できる実力派としてキャスティングされたのも彼女の魅力のなせる技!

DSCF9050.JPGその彼女が果たして地球外生物とどのような結末を迎えるのか?「彼ら」には高度な知性、言語、文字といった意思疎通のツールが存在するのか?コミュニケーションの難しさ、意思疎通の重要さについて深く掘り下げてゆくストーリーは我々がいつか直面することになるかもしれない、大きなテーマを投げかけています。さすが、アカデミー賞の作品賞、脚本賞ほかにノミネートされただけのことはあります。イケメン俳優は登場せずラブシーンもなし、稼げる映画とは言い難い作品ですが理系女子と一緒に鑑賞するには絶好のネタ。話のおかずは満載です。

交渉は成功するのか?彼女だけが備えた武器・ツールとは何だったのか?あまり先のことにつて書き連ねてもつまらなくなってしまうのでやめますが、この映画のエンディングを冒頭に繋いだら、エンドレスな映画としてずうっとエイミーの顔をアップで楽しめること請け合いです!

| 23:07 | コメント(0) | カテゴリー:吉田雅彦

コメント

■コメントはこちらへ


保存しますか?
(書式を変更するような一部のHTMLタグを使うことができます)


2024年 4月

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        

バックナンバー

カテゴリー