2017年06月09日
ノートルダムの鐘
ご存知レミゼと同じくビクトル・ユーゴの作品「ノートルダムの鐘」はアニメーション作品にもなった秀作。いま東京で劇団四季が舞台公演中です。NY・ブロードウェイよりも早く舞台化を実現したと評判の舞台、音楽はメロディアスな中にも切なさや華やかさをうまく織り交ぜたアラン・メンケンの作・・・・これも、実はディズニー作品です。が、華凛なお姫様もイケメンの王子も白馬も老婆も出てきません。主人公は醜い容姿の鐘つき職人。ヒロインはジプシーの魅惑的な女性・・・・・・
185年も前に作られたこのストーリーですが、いくつも現代に通じる場面があります。パリの真ん中で幽閉生活を余儀なくされる出自不明の醜い男、容姿の如何を問わず愛情を注ぐ天使のような存在、そして聖職と私欲のあいだで葛藤する司祭・・・・・
・・・・いまの欧州を重ね合わせてみるとどうでしょう?北アフリカからの難民問題とEU統合・離脱の問題、それらの狭間で揺れ動く欧州の政治。ユーゴーは200年も先の世界を念頭に物語を紡ぎ出したのか?ンな訳ない...と思いますが意外なほどに現代にも当てはまるテーマであることに驚かされます。そもそも欧州には普遍的に存在する課題なのでしょうか?
200年後にもこの作品がまだ上演され、やはり同じような問題がなくなっていなかったとしてら・・・人間社会は大して進歩していないばかりか、案外代わり映えしなかった・・・・・ということになるのでしょうか?
ジプシーを演じる岡村美南さんはオーディションで審査員一堂を一目ぼれさせ、審査の時間を早終わりにさせてしまった文字通りのハマリ役。実際にノートルダム寺院に通いつめ、その荘厳な巨大空間に身を置いて役作りの参考にしたとか・・・・
ミュージカル女優を目指して高校卒業後いきなりNYに留学、入団までは劇団四季しか観たことがなく、オーディションを受けたのも四季だけと語る彼女は170cmの見事なプロポーションだけでなく,NY仕込みの実力を歌に、踊りに、演技に如何なく発揮しています。