あなたにとってのヒーローは誰ですか?
ヒーロー・・・
強さと優しさを兼ね備え、挑戦し続ける。
人々の憧れの眼差しを一身に集めて、
スポットライトの中、いつも最高の結果を求められる存在。
孤独とも闘わなくてはならないのが
ヒーローの宿命かもしれませんね。
また一人、ヒーローがこの世を去ってしまいました。
小さな大横綱
千代の富士。
私の中学校の卒業アルバムには、
91年のヘッドラインニュースとして
千代の富士引退の写真が載っています。
「体力の限界、気力もなくなり...」
貴花田に敗れて決意した涙の引退会見は鮮明に脳裏に焼きついています。
私に相撲の面白さを教えてくれたのは祖父でした。
最初に覚えた力士の名前は北天佑。
この人は身体を大きくするために、毎日お餅を10個食べるんだよ、と
祖父の膝の上でお伽話のように聞きました。
若貴フィーバーもあり、かなり相撲好きな少女でした。
優勝をかけた千秋楽の貴乃花と曙の取り組みは
鼻血が出そうでしたし、私の興奮ぶりに愛犬は吠えまくっていました。
大乃国、旭富士、小錦、寺尾、広島出身の安芸乃島...
魅力的な力士たちが土俵上で鎬を削る中、
千代の富士の、他の力士とは明らかに違う筋肉隆々の身体。
美しい四股と土俵入り。
端整なお顔立ち。
凛々しい黒のまわし。
小さな身体からみなぎる闘志。
優勝回数や、連勝記録など数々の偉大な記録を打ち立てた大横綱にもかかわらず、
憎らしいほどに強い、のではなく、誰もが応援したくなる
それはそれは愛された力士でしたよね。
去年、還暦を迎えられ、赤いまわしで土俵入りをなさっていた姿は、
髷はなくとも現役時代を彷彿とさせる、ウルフそのものだったのに...。
寂しいですね。
これから、もっともっと沢山の強いお相撲さんを育てていただきたかったです。
10月1日にはファンのためのお別れの会が両国国技館で開かれるとのこと。
最後の花道、感謝の念で送らせていただきます。