2016年08月19日
旧ゴジラ
昔、子供のころの夏休み映画といえばドラえもんでも寅さんでもなく、怪獣映画のオンパレードでした。東映のゴジラは勿論、松竹、日活、大映といったライバル会社も人気スターの擁立に必死でした。ガメラ、ギャオス、ガッパ、キングギドラ・・・・怪獣と人間が対峙するゴジラと違って対戦シーンが見せ場のエンタメに・・・・何故かどの怪獣も身長は似たり寄ったりですが、子供心には疑問を持たず素直にご贔屓を応援したものでした。
さて、話変わって平成になって何匹目かの「シン・ゴジラ」の登場です.庵野秀明監督の最新作は初代作品の忠実なリメイクとでも申しましょうか?人間がゴジラ相手に武力で戦うのは60年前も今も変わりありません。この映画のもう一つの側面は日本が最近経験したパニックをパロディにしているところ、庵野監督自らペンを執った脚本には至るところに痛烈な皮肉が込められています。手の付けられなくなった巨大なある施設にゴジラを置き換えるとわかり易いでしょう・・・・・・
導入からテンポの良い展開でスピード感に溢れています。それどころか、昔自転車で走り回った大田区の街並みや、実家の近所をかすめてヤツが向かっている先は、なんと我が家のすぐ近く!!近所には作戦指揮所も設営され10式自衛隊戦車が並びます。
(写真はイメージです)
え?そんなロケ近所であったかな?たぶん合成ですがゴジラが自宅に被害を及ぼさないか、ハラハラしながら観賞してました。
60年の時を隔てて、撃退法も対応する政府側もいろいろと進化したようです。最近話題になったニュースもふんだんに盛り込まれ、興味深い展開は最後の究極の選択までウィットに富んだセリフでいっぱい。庵野作品の代表作に名を連ねることでしょう。
竹野内豊がなかなか渋い演技で貫禄ある中年を巧みに演じているのも見事ですが、石原さとみがスクリーン一杯に何度も登場するのはラブシーン一つないこの映画の中では唯一、(違和感も拭えませんが)癒される場面でしょうか?市川実日子のクールな振る舞いも、リアルで惹き込まれるポイントの一つです。
自衛隊装備は大半が防衛省協力の本物、実写だけに迫力十分ですが鉄道車両はスケールモデルの接写、かなり精巧な仕上がりはモデラー垂涎の的でしょう。どこで登場したかわからない旧友の出演シーンも気になります...
通勤ルートが至る所で被災した中でも、大多数が港区に集中している在京民放局が放送を続け、ダメージを受けていないのは奇跡的ですが、観賞後うちに帰って我が家が無事だったのを見て安心したのも実際のところです。