2023年04月14日

UH60JA

陸海自衛隊で幅広く運用されているヘリコプターUH60
その機体らしきものが水深90mほどの海底で発見されたという一報が伝えられました。
人の姿も確認された、と伝えられるのは推測するまでもなく乗員の誰か、ということでしょう。

極めて残念な結果に結びつくニュースを覚悟せねばなりません。

ここで明らかになったポイントがいくつかあります。

期待は空中で破壊が進んだのではなく、海面に接する時点までは原型を留めていたらしいこと。
乗員は海面に接触の時点で脱出などの避難行動を取ることができず、機体と共に海底へ
機外へ脱出がかなわなかったのは、接触の時点で生存できないほどの衝撃を受けた可能性があること。

つまり現在の時点で考えられる墜落の原因は150mとされる巡航高度から、急速に落下を始め海面には自由落下に近い速度で接触した(らしい)ことが考えられます。
落下の最中には手動でスクォーク信号(7700)を打ち込んで居る暇もなく交信でメイデイを叫ぶことも出来ないくらいあっという間に自由が効かない状態に陥ったのでしょう。

さらに推測を重ねるなら、上空で何が起こったのか?
エンジン2機がどちらもローターを回転させられなくなる、というのは確率論からして難しく、主因はギアボックスより上、メインローターにあると思います。
回転しているローターが突然揚力を失うのは急激な回転のストップ、あるいはローターブレードの少なくとも一枚の脱落が濃厚です。現場付近で先にローターの一部が発見されたこともこの推測と矛盾はしません。

仮に4枚あるローターの一枚が破断、ないしは脱落したのだとしたら回転バランスが乱れて期待は急激なバイブレーションに見舞われるはずです。そうなると乗員たちの動作にも大きく影響し、緊急回避行動だのなんだのといっていられなくなる状況だったのかもしれません。

事故直後航空自衛隊や海上自衛隊で運用されているほぼ同型のUH60J型機にも飛行ストップが指示されたと聞きます。
もしもメインローターが今回の事故原因に関わると刷れば、その原因究明が急がれることでしょう。その対策を終えるまで同型機の飛行は許されないはず。

なぜ着任早々の第8師団のリーダーがこのエリアを視察しなければならなかったかは、さて置くとして一刻も早く機体を回収し、事故原因の究明に繋げてほしいところです。

| 14:33 | コメント(0) | カテゴリー:吉田雅彦

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