2023年03月07日

H⒊デビュー「だいち」無事に宇宙へ・・・・・行けた?

JAXAが開発を進めていた新型ロケットH3の初号機は発射に失敗。・・・・・と新聞に書かれてはいますが前回はカウントダウンが中断されただけで何一つダメージは負っていません。
でも残念なデビューに終わっていました。

仕切り直して、いよいよ本日午前の再トライ。
H2型に比べると二回りも大きな本邦、最大のロケット。初速を加速するブースターは2機。これが無くても打ち上げが可能で1段目メインエンジンは2機の双発エンジン機です。
(H2はブースターが必携でした。このSRB=ブースターロケットに点火しなかったことが前回の失敗です)

H3のような液体燃料(水素+酸素)ロケットの場合、打ち上げの瞬間から数秒前には燃料を攪拌、噴出するためのターボポンプが稼働します。
勢いよくノズルから噴出するガスに向かって、百円ライターの火打石のように周囲から火の粉を飛ばしてガスに着火させます。
こうして、発射の6.4秒前にはメインエンジンが始動、発射準備が整います。

一方両脇から1段目を抱えているロケットブースターはロケット花火同様、固体燃料で発射の0.4秒前に点火され、即爆発的な噴射が始まります。
と、同時にロケットを支えているロックが解除され、全長63mもの巨大なロケットが発射台を離れ、宇宙への遥かな旅へと出発します。

前回は、ロケットブースターへの点火が実行されず、従って点火確認のセンサーも反応しないためにロック解除のコマンドが実行されず、H3の巨体は発射台に固定されたままメインエンジンのみが始動しました。
この原因はすでに判明していて発射の直前まで外部電源で稼働していたロケットの制御系が外部電源を切り離した瞬間にロケット側に切り替えられず、そこでエラー信号が発せられたというわけです。そこで今回はこのプロセスを見直し、予定通りにロケット側の電源に切り替わるよう処置されています。

エンジンにはすぐさま緊急停止のコマンドが降った模様で、数十秒後には静寂に包まれます。前回の記録映像を見て気づくのは、ふだん耳にできないメインエンジンの運転音が数秒はっきりと聞き取れたことです。
通常の発射ではブースターの音にかき消されて聞こえないメインエンジン音がクリアに聞こえる、これはこれで貴重な映像・音記録です。じっくりと新型ロケットの運転音に耳を傾けてみましょう。

総重量で400トンを超える747より重たい巨体がゆっくりと上昇を始める、高度6000mあたりで音速の壁を突破。発射2分後にはロケットブースターを切り離し1段目の燃焼は予定通り4分55秒後に終わりました。

高度は地上から300kmを突破、速度は13000km /h目前・・・・しかし、このあと発射の5分15秒後に予定された2段目ロケットへの点火が確認されず・・・・・速度表示は時速1万キロを割って減少するばかり

どうやら、衛星周回軌道には乗れなかったようです・・・・・・このままでは速度を失って太平洋上に落下・・・・・

とても残念な結果ですが破壊指令のコマンドが発せられました。これは明らかに失敗です。
言葉がありません・・・・・

残念なニュースがもう一本
国産ジェット旅客機1号機の期待を担って飛び立ったMRJことスタージェットの1号機がアメリカワシントン州でスクラップにされた姿が確認されました。
日本へ里帰りすることもなく、車でいう形式認定も取れないまま莫大な開発費もろとも廃棄処分になってしまいました。

中国市場の爆需要もあてにできたのに、H3共々ざんねんでなりません・・・・

| 10:52 | コメント(0) | カテゴリー:吉田雅彦

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