2021年05月30日

記念日

5月30日はごみゼロの日であり、嫁が結婚した記念日。いえいえ世界に冠たる日本初のロータリーエンジン搭載車コスモスポーツが発売された日です。
この年(1967)はとにかくスポーツカー豊作の年でトヨタ2000GTやいすゞ117クーペといった歴史的名車が相次ぎデビューしています。いま、GT-RとLF-AやNSXが同時発売されたら大変な騒ぎになるところですが、そんな感じ・・・・・

あのブルーバード510系もこの年ならホンダN360の発売もこの年でした。これらすべてに共通する要素とは?
クルマが我が家にやってきたことはもはや珍しいことでもなくなり、よりハイパワー、高性能なクルマが求められた結果がこうした車の誕生を後押ししたのでしょう・

1967年といえばビートルズ来日の翌年、日本でもグループサウンズが雨後の筍のごとく増殖し、マリークワント女子が発表したミニスカートが列島を埋め尽くそうとしていた時期。帰ってきたヨッパライがダブルミリオンを売り上げる爆発的ヒットとなり、フォークの波が関西を震源地に同心円を描いていった・・・・・

どれ一つ見ても昭和のパッションを感じさせるものばかりです。
そんな年に生を受けた日本のロータリーエンジン。お結び型のピストンが繭型のハウジングの中を偏心運動することで中央のエキセントリックシャフトを回し、これがクラッチでミッションに繋がれる・・・・ピストンエンジンよりも回転上昇がスムーズで天井知らずの回転フィールはたちまちマニアの心を掴んだばかりか、経営陣の心をもしっかりと掴んでいました。

翌年にはファミリア、その次はルーチェにロータリーが搭載され、さらに翌年にはロータリー前提で開発されたカペラロータリーが発表され、マツダはロータリーを販売の主軸に据えようとします。ファミリアのモデルチェンジに際してはロータリー専用車としてサバンナを別建てにし、その勢いは翌年のルーチェ、モデルチェンジまで続きました。

オイルショックが世界中を襲ったのはそんな最中の1973年秋、燃費が芳しくなかったロータリーはたちまち批判の槍玉に挙げられ、対米輸出では在庫の山を築いてしまいます。このことがマツダの経営を苦しくし、ついには銀行側から経営への介入を許さざるを得ない状況に追い込まれます。折しも世界一厳しいとされる日本の排気ガス規制が強化されようという局面でもありました。

排気ガスを早急にきれいなものにしなければならない、喫緊の課題に各メーカーとも開発陣を総動員して対応しました。いち早く回答を出したのはホンダのCVCC、それにマツダのサーマルリアクター方式でした。元々燃焼室温度を押さえやすいロータリーはNOXの排出でも有利で、炭素化合物の燃え残りは熱反応炉(サーマルリアクター)で容易に後処理することが出来る。

こうして排気ガスを高度に浄化したアンチポリューション・ロータリー搭載のコスモAPがマツダを窮地から救う大ヒットとなるわけである。

デビューから10年と経たないうちにマツダに茨の道を歩ませたロータリー、国内他メーカーは開発こそ進めたもののスズキのバイク以外市販化には至らなかった。もしも、ロータリーを送り出していなかったらマツダはどんな道を歩むことになったのか・・・・・?

その後もロータリーエンジンは数奇といえる運命を辿り、一昔前には市場から姿を消してしまった。でも、復活を望む声は依然高く、今や水素ロータリーの研究開発が再び脚光を浴びるのではないかと期待を集めてもいる。

コスモ、のネーミングはラテン語の宇宙に由来する先進的なものだったけれど、コスモポリタン(国際人)に通じるところもあり、世界で共有するテーマを解決する糸口になる可能性も秘めていたのだ・・・・・

| 17:59 | コメント(2) | カテゴリー:吉田雅彦

コメント

化石燃料を使うエンジンへの風当たりが強くなっていますが、ユーグレナさんや染谷商店さんに頑張ってもらってCO2フリー燃料の量産拡大してもらいエンジンの文化は続いて欲しいです。

投稿者 永水裕之 : 2021年6月 5日 20:57

エンジンの文化は途絶えさせてはイケナイ!
きっと豊田章男トヨタ社長も同じ意見ですね。
化石燃料を使わないカーボンフリーの方策も水素以外にこれからいろいろ出てくるでしょう。
サーキットからエンジンの音が消え、ヒュンヒュンという、モーター音ばかりになったら選手の士気も上がらない気がするんですが・・・・

投稿者 吉田雅彦 : 2021年6月 7日 11:11

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