2020年12月17日
嫦娥5号
中国の全自動、無人月探査機嫦娥(=じょうが)5号が月のサンプル2kgを持って、内モンゴルの雪原に無事帰還しました。それも電気ドリルで月面を掘って地中のサンプルをカプセルに移し替えるという力業です。
月の石は旧ソ連時代の1976年以来の採取、アメリカが人力で採取してからは50年遅れの快挙です!!
といっても、月着陸船を上下二段式にしたり、帰還カプセルのみを大気圏に投入するやり方はいずれも世界初めてではありません。モンゴルに降りてきたカプセルは何故かソユーズ宇宙船にそっくりな形。
中国がすべて独力で実現した、というところに意義がありそうです。
ひとまず月で実現したノウハウは遠からず火星や金星でも応用が期待される技術で、将来火星や金星の石を持って帰ってきたら、その時こそ世界をあっと言わせることでしょう。
そのためにはさらなる技術革新と膨大な予算が必要、後者は心配ないとして技術者たちが育ってくれるか、精巧な工作技術が手にできるか、さらにお手本に頼らないオリジナル開発がカギとなりそうです。
月の石の次に中国が何を目指すのか?有人宇宙船の分野なのか火星探査の方向か?
興味深く見守っていきたいと思います。