2020年11月15日
映画、罪の声
80年代のワイドショーのネタを席巻した、というよりメディアがこぞって振り回された事件といえばミウラ社長に連続幼女殺人事件、そしてまだ未解決のままのグリコ森永事件と呼ばれる一連の食品会社脅迫事件。
36年も前の事件には3人の子供の声が脅迫電話に使用され、その声の主が誰なのかは誰にもわからないまま。
物語は京都のテーラー二代目店主がこの声の主だと気付いてしまったところから始まります。事実に即した出来事もありますが、TVニュース画面に36年前は生まれてない黒塚まやアナが登場するのは勿論フィクションだから!
同じ頃、ある大日新聞記者もこの事件をたまたま追いかけていました。接点のない2人がどこでどうやって交錯するのか?サスペンスドラマっぽい展開で事件の背景に潜む謎が詳らかにされていきます。
最初は警戒していた新聞記者に心を許した元少年は四国、岡山へと事件の真相を追いかけて駆け回ります。と同時に記者は自分の仕事の意義をもう一度捉え直そうと苦悶します。
実際にあった出来事をベースに3人の子供のその後の人生にフォーカスしたユニークな視点、果たして実在するはずの36年前の子供たちはこの映画を観に来るのでしょうか?
映画のラストで記者・小栗旬が問いかけるメッセージこそがこの物語の問いかけたほんとうのテーマなのかもしれません。やはり実際にいた犯人はこの問いにどう答えるのか?
映画の結末とは違う真相がますます知りたくなってしまう興味深い作品、きっと今年度何らかの映画賞を取るのは確実です!