2020年04月14日
ワン・マン'sドリーム
出版不況が叫ばれ、街中からどんどん書店が消えて行こうという今、たったひとりで出版社を興し、決して多くはないけれどもその本が欲しいという人に向けた本を届けたい!
そんなひとり出版社の奮闘ぶりと読者との結びつきを纏めたのが社主自ら書き下ろした「古くて新しい仕事」です。採用試験に立て続けに溢れ正社員生活に憧れながらも好きな本と書店の為に自分で出来る仕事はないか?と悩む男・・・
無ければ自分で作っちゃえばいい、そして本作りを始めて軌道に乗せるまでと、会社設立までの経緯、ネット社会とどうやって共存を図るか?読者に本を届けるという仕事の本質、興味深い内容を時に感動的に、時に冷静な分析も交え克明に描いた興味深い読みものです。
メディアって大資本や機材が無くたって1人でも出来るんだ。でも、その本質は誰に何を伝えたいのか、ということだと改めて認識させられるようでもあります。本を作ってウェブに掲載してハイ終了。では売れません。書店員と対面して本を気に入ってくれるか見極める作業を一軒一軒積み重ねていく、そんな足を使った営業もまた不可欠です。
新潮社がこの題材を世に送り出してくれた事にも大拍手です!