2019年10月29日
ステップ・スルー
HY戦争と呼ばれたバイクの戦国時代、80年代のバイク・ブームは今からは想像もつかない激しさでした。ホンダもヤマハも毎週のように新機種を発表、TVCFも大物スターたちが顔を揃えたものです。
ではそのブームの火付け役はといえば・・・・・ソフィアローレンが日本中に広めたラッタッタ、ことロードパルであることに異論はありません。対するヤマハがこれに対抗したのがパッソルというミニスクーター。両足を揃えて乗車できるので着物やロングスカートの女性でも物理的には乗車が可能、という新機軸でホンダに対抗します。
TVCFではイタリア女優に対抗して日本代表の八千草薫さんがCMキャラクターを務めました!可憐でおしとやかな彼女のイメージとは裏腹にアクティブさ、行動的といったイメージではなく、簡便さ・扱いやすさをアピールするのに効果的だったと言えるかもしれません。今から40年以上も前のことです。
今月、八千草薫さんが亡くなったという報せが伝えられました。晩年まで現役の女優として活躍した彼女が、おそらくCMで実際にライディングを楽しんだのは知る限りではこのパッソルのみ。近年パッソルの名跡も電動バイクのネーミングとして復活し、初代のシンプルなデザインを思い起こさせてくれました。70年余という長い間第一線で活躍し続けた稀代の美人女優のご冥福をお祈りしたいと思います。合掌