2018年03月09日
2011年3月9日
平日正午のヘッドラインニュースを準備するのはいつもam10時のニュースの送出後、一時間以上がかかります。おおよそ放送の15分前にはほぼ、編集・原稿コピーも終わって下読み、最終確認が出来上がろうかという頃。ところがこの日に限って冒頭の2項目をどうしようかと思い悩んでいたところでした。
正午のニュースはほかと違って頭の二本は30秒前後の長文?ニュースと決めています。その時間までに起きた重要度の高いニュースがここに当てはまりますがいつも二本とは限らないし、重要度の尺度も人によってまちまち。いつも頭を悩ませる問題です・・・・・・が、水曜日のその時間にいきなり飛び込んできたのが地震発生を知らせるアラーム音・・
けたたましく鳴り響く共同通信社発信の警告アラーム、アナウンス音・・・ニュースルームは突然喧騒に包まれます。生放送中のスタジオにも直ぐに情報を伝える一方で、正午のニュースも大急ぎで手直しを迫られます。二人分の仕事をデスクひとりでこなさなければなりません。猫の手があったらコピーぐらいは手伝ってほしいくらいです。
いっぽう、頭の二本で思い悩む必要は無くなりました。地震の速報、詳細で軽く一分オーバーです。すぐさま原稿を書き直して、出来上がっていた原稿と差し替え。難なく必要なニュースを時間までにお伝えできたので内心ホッとしたところでした。
宮城県沖を震源としたマグニチュード7.3の大きな地震、規模としては阪神大震災クラスでしたが震源が離れていたせいか宮城県をはじめ大きな人的被害は報告されずに済みました。宮城県沖の三陸沿岸を震源とする大きな地震は、実は幾度も事前に発生が予測されていたものでした。
それから51時間後・・・・
仕事の前に自宅でゆっくり三時のお茶でもしようかとコーヒーを淹れ終わった時でした。テレビ・ニュースから流れる緊急震度速報のアラーム音。
二日前の宮城沖の余震だな・・・・と思っていました。結構振幅は大きめ、震度5くらいかな?それにしては大きな余震だな、と思いました。でも震源は東北地方だろうし、直下型でない限り家屋に被害はないはず・・・・・・・
そんな甘い考えは、入れたばかりのコーヒーが大きく波打ってカップから全部飛び出してしまう前に木っ端微塵に打ち砕かれてしまいます。コンロの消火を確認し、玄関を開けるとお隣さんが心配そうにこちらを見ています。停車中だった電車の車体が大きく左右に振られています。車庫なので乗客はいません。こんな光景は動画サイトでも見たことありません。三分ほど経ったでしょうか、ようやく想定外の長い揺れが収まったようです。北東方向を見上げるとお台場方向から大きな黒煙が立ち上ってゆくのが見えました。阪神大震災の悪夢が思い起こされます。
こうなると日常生活はいったん中断、直ぐに仕事先に向かうべくバイクのエンジンに火を入れました。
・・・・・熊本地震の時もそうでしたが本振に先駆けておきる前振、あまり大きいとその後にやってくる本格的な揺れの判断を惑わせることにもなりかねません。もちろん余震にしても油断大敵。いつも不断の注意と警戒心を忘れずに。あの日から7年が経っても重要な教訓です。