2018年03月10日
北の桜守
吉永小百合が結婚、しかも年の差婚で相手はバツイチ。当時の芸能界は騒然としたものでした。映画デビュー以来、吉永小百合の人気と言ったら宮崎あおいと蒼井優、田中麗奈が束になった位の人気スターでしたから......
そんな吉永小百合に岸部一徳、佐藤浩市、阿部寛、堺雅人、日本の映画界には欠くことの出来ない主役クラスを贅沢にキャスティングしたのが公開中の北の桜守です。これだけのキャストが顔をそろえる作品はそう滅多にはない筈。贅沢です。
舞台は終戦直前の樺太に始まり網走を経て1971年の札幌の繁華街、狸小路に新規開店したコンビニエンスストア第一号店に及びます。堺雅人演じる息子の元に母役の吉永小百合がやって来ます。
しばしばインサートされる回想シーでは40代の役を、現代(1971)では60代を演じ分ける吉永さんですが、どちらも違和感なく演じており、さすがは日本を代表するベテラン大御所の本領発揮です。
このところ誰を演じても半沢直樹な堺さんですが、相手役の篠原涼子がいかにも70年代風の懐かしいテイストを上手〜く表現しています。当時の若い女性にはこういうタイプ見ましたねえ〜〜
厳しい北国の情景下でのロケもきっちりこなしていますが、部分的に劇中劇の形で表現しているスタイルは実験的な試みです。撮影経費の節約にも効果的?
CGを駆使して巧みに再現された急行型キハ56車両や全日空ボーイング727をスクリーンに蘇らせたのも見逃せないポイントですが、1971年当時の店頭に並んでいた商品群にも注目です。まだ、カップヌードルは存在してませんので即席麺と言えば......
年老いて認知症も疑われる年頃を演じる様になった吉永小百合に往年のファン、サユリスト達はどんな感想を抱くのでしょうか?