2017年07月29日

2040inUK

昨日のニュースから・・・・イギリスが2040年までにガソリン、ディーゼル・エンジンを搭載した車の販売を禁止することを決めました。すでにフランスも同様の決定を発表済みです。これは大変!911もGT-RもMaserati もあの独特の排気音を楽しむことは中古車でしか経験できないという時代がやってくるのです!
こんな凄すぎるニュースが日本ではあまり大きく扱われていないこともビックリですが、それにもまして自動車1世紀半の歴史を大きく揺るがす今回のニュース。決して欧州だけのトレンドではないようです。
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中国も昨年、2020年までに新規販売自動車の12%を電気自動車(EV)またはプラグインハイブリッド(PHV)とする計画を発表したほか、インドも2030年までにすべての販売車をEVにするとの目標を明らかにしています。
ニホンや南北アメリカはやがて自動車ガラパゴス大陸になるのでしょうか?

2040年と聞けば随分先の話に思えるかもしれません。しかし、メーカー各社は2030年ごろには新型のエンジンの開発からどんどん手を引くでしょう。たった10年弱で採算の取れる高効率な高性能エンジンを開発、生産終了するよりも、資本と人材を他の開発に振り向けた方がマシだからです。
ということは欧州や中国の巨大市場を考えた場合、今後10年余で素晴らしく高効率な、ガソリンを食わない究極エンジンを完成させておく必要があるわけです。その間にも新しい固体リチウム電池が開発され、航続距離の問題が解消されたリ、水素自動車の車重が飛躍的に軽くなり経済的な乗り物として認知される可能性は少なくありません。

数年前にある自動車エンジニアが漏らした言葉「ハイブリッドは過渡的な技術で、遅かれ早かれ電気の時代になる」がますます現実味を帯びてきました。

こうした流れを裏付ける発表もありましたね。スウェーデンのボルボ(Volvo)が5日、2019年以降に発売する新車種はすべて電気自動車、またはハイブリッド車に移行すると発表したあのニュースです。ボルボが中国の浙江吉利控股集団の傘下に下っていたのも驚きでしたが、20年前の東京モーターショーではフォード傘下で、マツダと並んで幕張メッセの一角をボルボブースが占めていたのも今は昔、栄枯盛衰の自動車界は何が起こるか分かりません。

西欧最大の産油国ノルウェーは2025年までにガソリン車とディーゼル車の新規販売を終了させる方針を示している他、ノルウェー政府は6日、今年1月の新車登録の半数が(ほぼすべての税金が免除されているEV=17.6%)やハイブリッド車(33.8%)だったと明らかにしています。ニホンの現状に比べたら恐るべき電動化率の高さです!

そもそも英国メーカーのほとんどは今やドイツ資本。ミニだって、ベントレーだって、親会社は既にしっかりEV化したゴルフやi3とかを販売しています。フランスもルノー・日産アライアンスという電気自動車の老舗を抱えているのは言うまでもありません。
ガソリンにせよディーゼルにせよてんぷら油だって化石燃料由来のものは力を出すには大気中の酸素が必要で、炭素原子は必ず酸素と結ばれて二酸化炭素を生み出します。つまりどれだけco2を出さないエンジンを作れるか、が今後10年くらいの課題です。マツダの最近のエンジン開発はその効率アップのレベルが注目の的ですが、まだハイブリッド化とは直接結びついていません。
確かに急速充電器は5~6年前に比べて随分見つけやすくはなりました。が、電気自動車の電池もかれこれ6~7年でどれだけ進歩したのか、というと評価の分かれるところです。マニュアルシフトの車が見つからな~い、なんて騒いでいるのは今のうちで、ガソリンスタンドが見当たらな~い、という社会の到来もそんなに遠い話ではないかもしれません。

それよりも、いま乗っておきたいガソリン車について」真剣に検討を始めておいたほうがいいのかもしれません・・・・・

参考出典

ロイター; 英国のゴーブ環境相は26日、ガソリン車とディーゼル車の新規販売を2040年から禁止すると正式発表

bloomberg; フランスのユロ・エネルギー相は6日、2040年までにガソリン車とディーゼル車の販売をやめる方針を示した

AFP;中国も昨年、2020年までに新規販売自動車の12%を電気自動車(EV)またはプラグインハイブリッド(PHV)とする計画を発表

cnn;インド政府は、国内で販売する自動車を2030年までに全て電気自動車に限定するとの野心的な政策を明らかに

huffingtonpost;ノルウェーは今後10年で、ガソリン車、そしてディーゼル車の販売を「完全に禁止」する準備を整えている。

AFP;ノルウェー政府は6日、今年に入り新車登録の半数が電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)になったと明らかにした。

(ドイツ)DerSpiege;ドイツ連邦参議院が、2030年以降にガソリンやディーゼル機関など内燃機関を使用した自動車を禁止する決議を採択

| 22:13 | コメント(4) | カテゴリー:吉田雅彦

コメント

インフラ、充電時間、走行距離さえ担保できれば…。

投稿者 匿名 : 2017年7月31日 10:10

ガソリンスタンド全店に急速充電器があると航続距離問題もかなり有利に・・・・・・

投稿者 吉田雅彦 : 2017年7月31日 11:22

インフラ、充電時間、走行距離さえ担保できれば…。
でも、ガソリン車がなくなることはクルマとしての面白みがなくなるということも言えるでしょうね。

投稿者 JT : 2017年8月 1日 07:07

大丈夫です。安心して下さい。ガソリンエンジンの面白さよりも電気パワーのレスポンス、加速トルク、静粛性はまず高級車メーカーを、スポーツカーメーカーをも虜にするはずです。

電動車の面白みを説いていたら親友がEV購入に踏み切りました。だから私は伝道者でもあるわけです

投稿者 吉田雅彦 : 2017年8月 1日 20:02

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