2017年04月25日
ジャパンの仮面
ケンメリ・スカイラインが売れまくっていた1970年代は自動車業界にとって二度のオイルショック、度重なる排気ガス規制強化と厳しい時代でした。最もトバッチリを受けたのが輸入車で性能も魅力もガタ落ち、そんなさなかのスーパーカーブームでもありました。
スカイラインもシリーズからGT-Rが失われ、ターボ・パワーに新たな魅力を求めてゆきます。国産車で最初にターボ過給とガソリンエンジンを組み合わせたのが日産、その二番手がスカGでした。以降、ニューマンスカイライン、7thスカイラインとGT-R不在の時代が続く中、スカイラインのあり方も徐々に変化してゆきます。
80年代に入り,VWゴルフのような直線的なデザインがもてはやされ、どの車もナイフで削ぎ落としたようなシャープなデザインばかりになってゆきます。ニューマン・スカイラインでは4気筒エンジン搭載車もGT同様ロングノーズを与えられ、リアフェンダーを飾る、この車の代名詞のようなサーフィン・ラインも無くなります。そればかりか、5ドアハッチバックやワゴンボディ、4ドア・ハードトップといったバリエーションも登場し、速く走るだけではない豪華さやゆとりを求める層にもアピールしてゆきます。
ニューマン・スカイラインの時代には排ガス規制ショックも一段落し、国産車のターボ・パワー戦争は一段と激化します。4気筒の頑丈なエンジンを4バルブ化、ターボで過給したRSが誕生します。西部警察の御用達車両としても有名で、フロントフードをバンパーまで延長したノーズはマニアから鉄仮面と名付けられ人気を博しました。7thのクーペにはGTS-Rと名付けられた6気筒ツインカム・エンジンが限定復活します。が,GT-Rの名跡は復活せずGTS-Rと呼ばれていました。実はこの時代、既にGT-Rの復活が企画されていたようで、重く・大きな7thにGT-R復活の栄誉は与えられなかったようです。