2017年04月26日
21世紀を迎えて
スカイラインも長い歴史の中には何度も苦難を乗り越えてきました。70年代のオイルショック、相次ぐ厳しい排気ガス規制強化、90年代のバブル崩壊、そして20世紀末になって日産に降りかかった巨額の経営赤字・・・・存続をも揺るがしかねない危機を乗り越えるためにルノーから送り込まれてきたのがカルロス・ゴーンCEOでした。
この難しい時代に開発が進んでいた2001年型は、存続すら危ぶまれたともいわれています。GT-Rの生産もいったん中断が決定。生まれ変わったスカイラインV35系は縦目のヘッドライト、V型六気筒エンジンという新たなレイアウトでリニューアルを果たしました。トレードマークの丸型4灯テールランプも直列六気筒エンジンも決別し、ロングノーズGTだったころの面影は微塵もありません。一つだけ救われたのは2ドアクーペが加わったこと、国産車でこのクラスに2ドアを投入するのはもはや稀なケースでした。
街中にハイブリッドカーが溢れ、カタログを眺めてもワンボックスカーばかりになってしまった時代、後輪駆動のパワフルなセダンというだけではファミリー層も見向きもしてはくれません。スカイラインの活路はもはや国内ではなく、北米を中心とした高級車ブランド「インフィニティ」の中に見出され、その中核車種Q50としてBMWやメルセデスのミドルクラスと戦うことを使命づけられています。もう、国内にライバルは見当たりません。国際市場で日本代表として闘い続けるスカイライン、GT-Rが独立・分離したいまは新しいキャラクターが求められています。