2014年03月16日

迷走マレーシア機のゆくへ

 行方不明のマレーシア機、もう一週間にもなるのにその行方がわからないという異常事態がつづいてあいます。太平洋上を飛行中に消息不明になったケースは過去にもありましたが、今回は遭難信号も出さず、機体の行方も分からずじまい。墜落したかどうかもまだ特定ができない状態のままです。
IMGP1717.JPG
 ここでちょっとだけ信号関係の用語についておさらいしておきます。トランスポンダー信号というものがあって飛行中の旅客機には必ずフライトごとに4桁の数字が割り当てられます。4桁の数字が記された仮ナンバーの交付を受けるようなもので、航空管制室のモニターに映し出されるのは、レーダーの機影ではなく、飛行機が自発的に発信するこのトランスポンダー信号を解析したものです。アメリカの管制域にある航空機のデータはweb上で公開されているので探してみて下さい。スクリーンには便名、飛行高度、飛行方向などが数字で表示され、ひと目でどの便が今どこへ向かいつつあるか解る、というものです。ハイジャックされた時にはパイロットがすぐさま万国共通の4桁の数字を打ち込むと、管制側ですぐに認識出来る「空の110番」みたいな機能も持ち合わせています。

 今回はこのトランスポンダー信号が故意か、または何らかの理由で途絶えて、ここが通信途絶の地点とされました。しかしトランスポンダー信号を打ち切るには電源系統が故障するか、飛行機が存在しなくなるか、その仕組みを知った人物が故意に送信を切ったかのいずれかしかありません。今までに,ほとんど例のない事例です。

 777型は,もうひとつエンジンからインマルサット衛星経由で英ロールスロイス社宛にエンジン回転数、排気温度、燃料消費量などの限られたデータを一定間隔で送信するシステム“ping” があり、これが数時間後まで飛行を続けたとする根拠になりました。ただ,飛行高度や機首方位は記録されておらず,受信した衛星までの距離しか解りません。最終的な確認位置が中央アジアかインド洋と2つの地域に分かれて居るのはこの為で,ベトナム沖の捜索海域には存在しないことが確定的となります。また可能性のひとつに挙げられた機体の故障,事故(空中分解)の可能性はかなり小さくなりました。

 さて土曜日に飛び込んで来たニュースに依りますと,マレーシアの捜査当局は機長(53)と副操縦士(27)の自宅を家宅捜索し,フライトシミュレーターなどを押収、使用履歴の解析を始めているということです。さらには,機長の政治的な信条,これまでの活動歴と云った方面にもすさが及ぶ可能性すら残っています。機長らにはコクピット内で無線通信やトランスポンダーの切断操作が可能であり、故意に操縦桿を目的以外の方向に向けることが物理的に可能です。まだ誰の意思によって方向を変えたかの断定は出来ませんが、機長もその可能性に含まれることは明白です。

 いずれにせよ,航続可能な時間はとっくにすぎていて、機体と乗員乗客がどこにいてどんな状態なのか,それを知る術が何一つ明らかになっていない・・・・近年稀に見るミステリーじみた「事件」です。

| 19:43 | コメント(0) | カテゴリー:吉田雅彦

コメント

■コメントはこちらへ


保存しますか?
(書式を変更するような一部のHTMLタグを使うことができます)


2020年 7月

      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

バックナンバー

カテゴリー