2014年02月09日

都政で破られた「壁」

 都知事選挙も終って新しい都知事の誕生!、ですが前知事が提唱した都営地下鉄と東京メトロの一本化はどうなるんでしょう?九段下駅で並行する都営新宿線と半蔵門線の壁は見事に取り除かれ、双方の乗り換えが格段に便利になったのがたったひとつの前都政の功績だった。と云うのではあまりに寂し過ぎますが。
 さて、話は東京オリンピック以前に戻ります
 東京の地下鉄建設に動いたのは都電を運行する東京都交通局も同様でした。浅草・新橋間には既に銀座線が開業済みで、正面から対決姿勢となります。ラインカラーはローズ、丸ノ内線の赤よりも淡い色で路線イニシャルは浅草のAです。都営線と云う呼び方が通用したのは三田線が出来るまでで、以後は浅草線と呼ばれます。

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 さて,新橋〜浅草橋では先にあった銀座線とバッティングしますが,途中ルートを秋葉原まで昭和通りの下とすることで,競合を避けました。ゆえに上野駅は経由しません。もしも新橋駅から浅草を目指すのなら運転間隔の短い、JRから近くの銀座線を選ぶか,急行運転もあってルートの近い都営線を選ぶか,ここは検索アプリで先に到着する方を選びましょうか?銀座線は日本橋・三越前、神田を通り,ここからは山手線の内側を通って、上野駅から浅草方面へ向きを変えます。都営線だと新橋駅はJRからは離れた昭和通りの真下,ゆりかもめのホームが真上にきます。銀座は通らず東銀座を経由して、宝町、東日本橋といったビジネス街を通って浅草までほぼ隅田川に並行して北上します。JRとの接続駅は浅草橋で、のちに東日本橋の直下を総武快速線が貫きます。
 これまでの地下鉄と違うのは最初から私鉄各社と相互乗り入れを計画して,顧客の増加を狙ったもところです。最初のパートナーは京成電鉄と京浜急行です

さて建設工事ではこれまでのコンパクトな銀座線サイズと違い,パンタグラフ、架線のスペース分だけ大きな断面サイズのトンネル工事が必要でした。銀座線トンネルがNYのメトロに似て天井が低く、改札までの深さも地上から比較的近いのと較べて、都営線のトンネル、駅施設はさらに深いところに作らねばなりません。ホームも8両編成の京急や京成が乗り入れ可能な長いもの。レールの幅も京急,京成と同じく1435mmの広いゲージで敷かれます。京成はこの為にレールを敷き直すという大工事を敢行。
 京浜急行は大半の各駅停車が品川始発ですが,泉岳寺までの地下区間はまだ京急線内です。三田駅から泉岳寺を超えて品川駅まで乗った場合,都営線と京急線の2社を乗り継ぐ計算となってしまい,割高です。ご注意を。泉岳寺付近のJRにまもなく山手線・新駅が誕生する運びです。
 京急本線とは別に,泉岳寺から西馬込に延びた路線は,国道一号線を南下して、ゆくゆくは横浜方面への延伸を目論んだものでした。昭和のうちに計画されていたこの方針は平成になると立ち消えになり、復活の目もなさそうです。代って浮上したのが東京駅直結計画。成田,羽田の両国際空港を結ぶ唯一の路線だけに、東京駅乗り入れは大きな武器です。これが実現すると空港アクセス競争も大きく勢力図が塗り替えられそう・・・・・
 同じ頃、営団地下鉄も私鉄乗り入れを前提とした新規路線を建設中でした。(つづく)

| 19:59 | コメント(0) | カテゴリー:吉田雅彦

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