2008年09月07日
圧倒的な空戦絵巻
後れ馳せながら、「スカイ・クロラ」観て来ました。
惜しくもベネチア国際映画祭での賞は
なりませんでしたが、いや!その空中戦の
迫力あること・・・・・
で、何で「震電」が出てくるの?
と思われるでしょうが、そう、映画に登場する
主人公の函南優一の搭乗機が、この「震電」に
そっくりなんです。
と言うより、「震電」をモデルにしたと思われる
戦闘機なんです。
写真の「震電」はだいぶ前に作ったハセガワの
72分の1のプラモデルです。
ご覧頂くとお分かりのように、この「震電」は
かなりユニークな形態をしています。
機体形状は、専門用語では「前翼型」、あるいは
「先尾翼」と呼ばれるもので、普通の飛行機とは
異なり、機体の後部にプロペラがあり、機首部分には
機体を安定させるための小翼が取り付けられています。
つまり、プロペラが付いていない胴体が細くなっている
ほうが機首にあたり、進行方向は当然こちらになります。
この「震電」は太平洋戦争末期、日本海軍が開発していた
単座の試作戦闘機で、九州飛行機海軍航空技術廠が
開発を担当しました。
試験飛行まで漕ぎ付けたんですが、3回ほど試験飛行を
行った段階で終戦を迎えてしまい、実戦には間に合いません
でした。
現在、現存するたった1機の解体部分がアメリカの
スミソニアン博物館の収蔵庫に眠っています。
昨今、零戦や隼の復元機がアメリカの空を飛行していますが、
この「震電」の復元の予定は今のところないようです。
さて、映画の「震電」、いや、映画の中では「散香」という
名前で登場するこの先尾翼機は、なかなかよく出来ていて
迫力満点です。
一方の敵機に当るティーチャーが搭乗する「スカイリィ」は、
これはまた何と表現したらいいのか、つまり、フォッケウルフや
メッサーシュミット、P51ムスタング、F4Uコルセアといった
これも第2次大戦中のドイツ、アメリカ(イギリスの
スピットファイアーも入っていたかな?)の戦闘機の特徴的な
デザインを取り入れたような国際色溢れる戦闘機でした。
と、そんな所ばかり目に付いて、肝心の作品の内容のほうは
あまり印象に残っていません。ご免なさい!
それにしても、函南の同僚のパイロット、土岐野尚史の声を
担当した谷原章介さんの美声には感動しました。
なんと素晴らしいサウンドなのでしょうか・・・・・・