2008年06月02日
鶴丸よ永遠に!
1960年に登場した日本航空のシンボルマーク
通称「鶴丸」が半世紀にわたる役割を終え、
5月いっぱいで日本の、そして世界の空から
その姿を消しました。
惜別の思いを込め、ニュースの原稿用紙に
赤のサインペンで描いたのがこのイラストです。
(J-WAVEさん、ご免なさい!)
同じ鶴丸でも初期のデザインと比べ微妙な変化が
あるようで、新しいものはJALのAの部分の横線が
無くなっています。
ちなみに、これは20年程前に作ったクラシックジャンボの
プラモです。
今の鶴丸に比べて少し大きくなっています。
このマークが登場した頃、旅客機はプロペラ機の時代から
本格的なジェット機の時代へと移り変わって行きます。
鶴丸が登場した1960年、パンナムのボーイング707が
初就航、少し遅れて日本航空が採用したダグラスDC8が
就航しました。
この当時は、まだ旧タイプのデザインが施されており、
羽田にやってきたDC8の尾翼のデザインは、
濃紺の横縞の5本線に日の丸をあしらったものでした。
日本航空は、この横縞デザインで国際線への足掛かりを作り、
鶴丸で世界のビッグエアラインに成長しました。
しかし、日本エアシステムとの統合後は、新たな
デザインの元に国際競争に勝ち残るための一体化が急務、
鶴丸はそうした流れの中で消え去る運命にありました。
古くからある日本の紋章を参考にデザインされたと言われる
「鶴丸」は、大空からその姿を消しても、
日本の商業デザイン史に残る傑作として
いつまでも人々の記憶にとどまることでしょう。