2024年03月06日

2021のこの日

今日3月6日はウィシュマさんが入管施設で亡くなった日...


今から30年以上も前、日本には政情不安のカンボジア、ラオス方面などインドシナ半島からボロボロのボートに乗った難民たちが怒涛の様に押し寄せた時期がありました。
今でこそベトナムからの技能実習生を名乗った働き手を街の中でも容易に見出すことができますが、当時はカンボジアやその周辺国から命の危険を感じながら危険なリスクを犯して船を漕ぎ出す人々が後を絶ちませんでした。
当時の労働市場では3Kと呼ばれる辛い汚いキツイ仕事はなり手がなく、こうした労働力を海外からの働き手に頼っていたところは今も変わっていません。

それどころか難民申請しても3度目には強制退去という厳しいルール強化に批判が集まっています。

去年の今頃読んだ中島京子の小説『やさしい猫 (単行本)』には、こうした入管制度をテーマに、鋭く問題点を抉るスタンスが貫かれています。
主人公の男性はスリランカ生まれ、アジアを襲った津波で両親を亡くし日本で就学後技能職についたものの就職先が倒産。交際中の日本女性にも言い出せず、結婚届も在留許可の延長には間に合わなかった、という事から入管施設の中から出られなくなって、痩せ細った末に急変で駆けつけた救急車も門前払いされてしまい...

あまりにもウィシュマさんのケースが想起される出来事が相次ぎます。フィクションだとは銘打たれていますが、その実かなりリアルな描写には、入館制度に対する怒りさえもがこみあげて来ます。
ウクライナからの避難民受け入れでも問題となった外国人受け入れのさまざまな不備,格差や差別

この本を読んでいると日本はまだまだと思うばかりか特定の人(種)権を不当に扱っている某かの国をとてもじゃないけどどの口で偉そうに批判できるんだよ!
と言いたくなって来ます。きっと読んだら貴方も

奇しくも翌日の6月21日(2023)にはおととし(2021)3月、名古屋の入管施設で死亡したウィシュマ・サンダマリさんの遺族が国におよそ1億5600万円の損害賠償を求た裁判で、収容中のウィシュマさんをうつした監視カメラの映像が法廷内の大型モニターでおよそ5時間分を国が証拠として提出しています、
遺族は、必要な医療を入管が提供しなかったのが原因だとして、国およそ1億5600万円の損害賠償を求めています。

この裁判に限らず入管がこれまで行なってきた行為が法廷の場で裁かれる、重要な局面を迎えています。

| 21:49 | コメント(0) | カテゴリー:吉田雅彦

コメント

■コメントはこちらへ


保存しますか?
(書式を変更するような一部のHTMLタグを使うことができます)


2024年 4月

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        

バックナンバー

カテゴリー