2023年12月12日

電気バス?

「立山黒部アルペンルート」の関電トンネル(=北アルプス立山連峰を貫く観光ルート)で、日本でも珍しいトロリーバスが運行されています。(写真はイメージです)
黒部.jpg
昔は池袋界隈や明治通り、京都市内でも見かけたものですが都市部ではとっくに廃止。トロリーバスは現在も世界各地に僅かながら残るもので、路上の架線から電気を得て走る一種の電車です。路面電車が架線一本とレールから直流の電気を受けるのに対し、ゴムタイヤのバスは架線が二本必要です。
燃料を携行しなくても良い代わりに変電・送電設備のインフラ投資は必要です。方向転換も難しく、往復するルートの設定も制限されます。新規に開設される路線がないのも頷けるでしょうか?
黒部ルートでは、半世紀ものあいだ黙々と専用トンネル内を往復していた人気の路線でこのトロリーバスを2024年度に廃止し、車載バッテリーで走る電気バスに変更するというもの・・・・おっと、今でも電気で動いているので厳密には電池駆動バスへ、でしょうか?コスト削減や部品調達問題などが理由だそうです。

マイクロ・バスではトヨタがコースターにシリーズハイブリッド方式を採用し、実証実験した例がありますが、モーターの力強い発進トルクと加速性能には目を見張るものがありました。電池タイプでも同様の性能が期待できますが
問題は搭載する電池と重量です。航続距離の問題はあらかじめ往復ルートが決まっている定期路線の上、渋滞など予想外の因子がない専用路線なら考慮の必要もなし。最も電池向きの路線と言えるかもしれません。あとは夏冬の温度差による電池の性能変化と耐久性、コスト問題でしょうか?

ここで実績を上げれば公共交通のゼロエミッション化にも大きく影響しそうです。

いっぽう、各メディアの情報を総合しますとマレーシアで東芝インフラシステムズなど4社が、10分間の超急速充電で運用するEVバスの実証運行を実行しています。
中国ではバス停に停車するたびに固定された架線から電気を供給するEVバスが上海万博で披露されていましたが、熱帯地域のマレーシアでは当然冷房用の電源も確保せねばならず、充電、走行の繰り返しにより電池温度がどれほど上昇するかも注目です。
今回使用される東芝の二次電池 SCiB™を搭載したEVバスは、10分間の超急速充電を実現したとされ、1周30km以内の運行ルートで、1周につき10分間の充電を行うだけで繰り返し周回できるというものです。
SCiBの電池寿命も未知数で10年間交換を不要とする目標が達成できるか・・・・・是非いずれは寒冷地を含む日本国内でもテストしてもらいたいところです

| 22:39 | コメント(0) | カテゴリー:吉田雅彦

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