2023年09月06日
西大寺vs東大寺
近鉄「大和西大寺」の駅名は昨年の安倍元総理射殺で図らずもすっかり有名になってしまいました。
しかし元々は西大寺(さいだいじ)と言う大きなランドマークがあった場所。
「金堂」、「東西」両塔や四王院、十一面堂院、食堂院、正倉院といった100以上のお堂が立ち並んでいたともされ、
一時期は聖武天皇が平城京の東に創建した「東大寺」に匹敵する規模を誇った重要な施設で、現在はその面影はあまりありません。
称徳天皇が創建したものの「かつての都」にあるお寺に過ぎない存在に置き換わってしまった平安時代以降は次第に全体に手が回らなくなり、結果として創建期や鎌倉期に建設されたお堂は現在は全く現存していない状況になっています。
東大寺、薬師寺の現在のステータスを考えると残念な西大寺ですが、昨年起きた不幸な事件で一躍名前がクローズアップされたのも残念な事象と言わざるをえません。
と言うありがたいお話を薬師寺東京別院で伺ってきました。
そんな西大寺にある近鉄の駅は今や近鉄電車の駅というだけでなく、奈良県最大のターミナル駅の地位も併せ持っています。
場所は先頃立派に復元された平城宮あとの西隣、JR奈良駅とは平城宮を挟んで駅ふたつぶんの距離です。
この大和西大寺で近鉄奈良線と橿原線が交わり奈良線、京都線、橿原線の3路線が乗り入れ大阪、京都、奈良、天理、橿原神宮方面行きと車両基地向けの列車が(大の字形に)集結する一大ジャンクション駅です。
東京のメトロでいえば小竹向原駅と池袋駅を一つにしたような存在。奈良中心部へアプローチする手前で住宅街、すいでん、平城宮、近鉄車両基地と目まぐるしく変化する車窓も魅力の一帯です。