2023年06月08日

父の空(と海とkiteと)

相模湾を見渡せる見晴らしの良い駐車場のある長者が崎

ご利益の在りそうなこの場所をことさら印象深く覚えているのは父と祖父母と従妹と定員乗車のブルーバードで訪れた遠い昔のこと

記念写真のシャッターを押したのは私、だったのに60分の1程度で手ブレ、ボケボケの写真は見られたものではなく父親にこっぴどく叱責された。

以来、なぜかこの日の光景は目に焼き付いている。

毎年夏になると慶応大の広告研究会がこの地でキャンプストアを開店し、何かといえば通ったものだった。ゴムボートを膨らませ沖の岩礁迄たどり着くと、そこはつかの間のプライベートビーチ。これは水着姿の女子大生を含め、しっかりと写真に収めてある。この場所で撮った写真はことのほか多いことに気づく。

 

父が逝去して干支が一回り、遺品の中にはなぜか大きなカイトが2つあった。

久しぶりに引っ張り出して強風下の長者が崎でフライトに挑む。

平日とはいえ梅雨入り前の暑さ、砂浜には水着に着替えて甲羅干しに励む女子が数人。もうすっかり夏の景色だ。

マリンスポーツの種類も増え、カヌーやSUPを楽しめる教室やレンタルも

 

一体いつ頃父がカイトに興じたのかは知る由もない。昔、遠くの団地迄凧を飛ばして何百メートルも糸を手繰っていった記憶はあるが。

手にしたカイトはやや大ぶりのもの、一人で離陸は難しい、見かねた釣り客が何も言わず補助してくれた。有難い!

左右のシートを手繰ってバランスをとるのが結構シビアだし、力もいる。

見事に父のカイトが相模湾に舞い始めた。

Dscf1085 

安定した水平飛行は難しいもののカラスたちが興味深げに周囲を警戒する。

そもそも何でカイトなのか?小さい方のカイトはどうやら新車発表会か何かのノベルティらしくもらってきたカイトに触発されて大きなものを購入といったところだろうか?

父が亡くなり主のなかったカイトが再び空を舞う。あのカイトからは懐かしい長者が崎の上空からの眺めが見えているはずだ・・・・

| 18:18 | コメント(0) | カテゴリー:吉田雅彦

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