2023年05月06日
昭和な日のfairlady
環八沿いの中古車専門店、ずらりと並んだ80年代の名車たち・・・
トヨタMR2AW11にソアラGZ20、スカイラインターボR30、そしてフェアレディZ(Z31・32)・・・・
どれも発売当時の新車販売価格に近いプライス・タグがついていて、よくぞ40年もこんなに綺麗なコンディションを保ってきたものだ、或いは綺麗にレストアされたものだと感心!
価格に見合うだけの価値はありそうです。
ところでこんな一群の中で今も新車販売が続いているのがフェアレディZ。
先代あたりから原点回帰の傾向は一段と色濃くなり、人気の現行モデルには初代の面影がちらほら・・・
実は土台となった先代のZ33・34からしてプロポーションはロング・ノーズの復古調を旨としていました。
ではその前の時代のZは何を目指していたのか?
大きな転機となったのは40年前に現れた3代目Z31です。日産が国内で最初に採用したV型6気筒エンジンの搭載に合わせてショートノーズ、ミッド配置のコクピットがデザインテーマとなりました。
ロングノーズショートデッキの古典的スポーツカー像はこの時一旦葬り去られたのです。あたかもホンダからはFFスポーツ・バラードCRーX、翌年にはトヨタMR2が登場し、日産が販売を目論んでいたMid−4を見ても分かるとおり、デザイントレンドは新時代へと舵を切ります。
確かにドル箱だった先代Zの面影はヘッドライト周りの造形に残されてはいますが、2世代続いたZのイメージはこの後半世紀近くを経て再び蘇ることになったのです。 売れ行きの良かったモデルの刷新は意外に難しく、デザイナーは冒険を避けて似たようなモチーフを継続します。2代目ソアラもそうでした。
3代目となると思い切った刷新を断行する例が多く、シビックやサニーも大変身を遂げたのは3代目。
そんな昭和の歴史を知らない、今の若いオーナーたちは店頭に並ぶ新車同様に磨かれた昭和カーを果たして手に入れるでしょうか?
ウェブでは体験できないハンドルの重さや乗り心地の悪さ(固さ)驚くほど視点の低かったドライビング・ポジションをこれから先、永年の足として愛用してくれるといいのですが・・・
マニュアル・ミッションはおろか、ガソリンエンジンの行く末も不透明な今、待ったなしのお買い物がそこにあるような気もします。
初代Zに回帰したフェアレディ、この次のフェーズがあるとしたならSR311、フェアレディ2000でしょうか?