2023年04月22日

誰も彼もスクラッチしていた日々

今から40年も昔ラジオ局のミュージックソースは大部分アナログレコードでした。

新人さんADは必ずと言っていい程、レコードの頭出しをマスターすることが必須.曲の頭を狙って勘を頼りに止まっているレコード盤に針を落として指で静かに回してみます。

曲の出だしが見つかったら、角度にして45度ほど逆回転させてスタンバイします。モーターの回転が上がるまでのタイムラグとミキサーさんがキーを上げ切る迄の時間を勘案してのことです。

曲の頭前後では何度も盤面を前後して音を出しますが、この時に出る音は正常回転のものでは無く,放送には載せられないノイズ=スクラッチノイズと呼ぶ雑音でした。

これを逆手に取ったのが当時の人気DJたち,そして楽曲にそのままスクラッチノイズを入れてしまったのがHerbie HancockのRock itでした。今でいうならヒップホップ感たっぷりのゴキゲンなサウンドです。アナログレコード全盛だった最後の時代・・・・・究極のテク?!

時代は変わって配信の世の中
ADのお仕事は今も頭出しが重要なタスクです。でも昔みたいにレコードを回す光景は見られずボタン1発で頭出し完了。確認の為に一回モニター・スタートさせてリハーサルしますが、聞こえてくるのは本番と同じ正常な回転の音。昭和みたいなスクラッチノイズは自宅のレコード盤で楽しむより他無さそうです。

今日はアナログレコードの日

スタジオのターンテーブルも今日だけは大活躍です

| 22:34 | コメント(0) | カテゴリー:吉田雅彦

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