2022年10月14日
ようこそ小田先輩
昔、TVの仕事でご一緒したディレクター、プロデューサーの小田大河さんが母校の愛媛県宇和島西高校伯方分校で講演会に登場しました。
講演の模様はzoomでも配信され、遠く離れた東京でも拝見することができました。
しばらくご無沙汰している間にその昔新米ADだった小田くんはドキュメンタリー番組のディレクション、プロデューサーとしてメキメキ頭角を表し、近年では南極からロシアまで世界中の絶景を紹介する1時間番組の制作に10年もの間、携わっていました。
でも彼の本領はといえば、ヒューマンドキュメント。それも逆境をものともしない力強い人間の力強さを表現した作品群にあります。数々の受賞歴に輝くろうあ夫婦のアスリートを追ったドキュメンタリー作品「風の歌が聴きたい」をはじめとして、最近ではコロナ禍に生きる人たちを描いたドキュメンタリー作品が評判です。
と言っても体育館を埋めた現役の高校生たちは、TVの番組すらあまり見ないという世代。チンプンカンプンで話の中身についていけない彼らにも、小田くんの高校生時代の美少女告白事件の顛末には興味津々の様子。
そんな彼等に向けて小田先生が力説したのは母校の社会科教師だったお父様が当時の教え子たちに提出させた「両親から聞いた戦争の話」の小冊子。自身徴兵経験もありシベリア抑留も経験されたお父様の若者を戦地に送り出してはならない、という強い思いのこもった労作です。
実は生徒たちが演じた映画も制作されていて、そのフィルムも現存し・・・・・
ウクライナで戦火が長引き海峡情勢が不穏さを増す今だからこそ、若者たちに伝えなければならない大切なこと・・・・・・
あの小田くんがここまで立派な映像作家に成長したんか、と我が事のように嬉しく思うと共に伯方島で育つ若者達にとって、素晴らしい先輩がいることを知ってもらう大切な機会だったことと思いながら配信画面を食い入るように見つめていた自分に気がつきました。
ありがとう小田先輩!そう叫ぶ生徒たちの声が聞こえてきそうです。