2022年09月02日
march終了
マッチのマーチはあなたの街にマッチする
こんなフレーズで40年ほど前にデビューした日産マーチ。
近藤真彦がレーシングドライバーとしての第一歩を踏み出したのもこの車のワンメイクレースからでした。
そもそもは70年代のオイルショック以降、日産のボトムレンジを担う、新規のリッターカーとして登場し、そのデザインはジウジアーロの同時期の作品、フィアットウーノにも似た合理的で飽きの来ないものでした。
この車からはスピンオフ企画として,Beー1やフィガロ、パオといったパイクカーも数多く誕生して、日産のイメージ向上ばかりでなく自動車との新しい付き合い方も開拓したようでした。
モデルチェンジのインターバルを欧州車並みに長く設定していたことも国産車としてはユニーク、実用に徹した思想はほかの日本車にも少なからず影響を与えていたようです。
二代目、三代目と丸っこい、かわいいデザインを指向し戸丸彰子アナのかつての愛車としても可愛がられていました。
現在のマーチはタイに生産移管された輸入車の扱いで、三代目を大幅にアレンジしたデザインがベース。ですが兄弟車も増え、ノートのような電動車の大ヒットを前に販売も縮小、この度国内販売の収量がアナウンスされたものです。
現代のリッターカーは軽乗用との違いが明確ではなく、背の高いワゴンを除けばかつてのような売れ筋ではなくなっています。基本的な車台を共有するSUVが好調な陰で、利ザヤの少ないこうしたベーシックカーは売りづらい市場構造になってしまいました。
地味に消え去る運命のマーチですが、映画にも登場したミツオカのビュートは、代々この車をベースにしていました。新車の供給が絶たれると、ヤリスかデミオ辺りをベースに作り直さなければならなくなるんでしょうか?