2022年08月14日

生誕100年 朝倉摂展@練馬区立美術館

今年はマルチアーティスト朝倉摂(あさくらせつ)の生誕100年目
を記念して展示会が催されています。

写真の説明はありません。

日本画家を父に持ち幼い頃から絵を描き続けたテクニックは確かなもの。それはまるで設計図から起こした様な正確な自転車のスケッチを見ても一目瞭然!

しかし裸婦像を描くとなると、正確なデッサンではなく、直線を鋭角的に組み合わせた印象派的作風を見せつけます。

日本での絵画表現に限界を感じてニューヨークにも。好評な新聞小説の挿絵などの仕事の傍ら舞台セットなどのデザインに新境地を見出す。

一瞬を捉えた絵画よりも、役者が動きセリフを吐くライブな空間にダイナミックな魅力を感じたのだろうか?
唐十郎版の滝の白糸ては舞台上にホンモノの下町さながらに2階長屋を路地裏通りごと移築した様な緻密なセットを構築して見せた。主役には人気絶頂期だった沢田研二を迎え、これまた新境地を開拓した。

他方で絵本の挿絵にも定評があり猫のデッサンなどはディテールの正確さに裏打ちされながら愛くるしい表情が堪らなく魅力的に映る。つかこうへいなどとの共同制作からも多くの秀作が生まれている。

マルチな活動ぶりが魅力の作品群が一堂に会するのは今回が初めて、滑り込みで鑑賞出来た。
練馬美術館で14日まで

| 15:18 | コメント(0) | カテゴリー:吉田雅彦

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