2022年07月17日
三角窓と名評論家
自動車評論家の大御所、三本和彦さんがお亡くなりになったという悲しい知らせは新型クラウンがベールを脱いだホンの数時間後のことでした。
永くテレビの自動車情報番組のキャスターを務められ、カーグラフィック誌にも永らく関わられた三本氏のキャリアのスタートは東京新聞の記者でした。
車はもちろん、カメラにも造詣の深かった三本氏はあのデザイナー、ジウジアーロとNikonの橋渡をした事でも有名。ニコンF3のあの無駄のない合理的デザインは初代ゴルフに通じるものを感じ取ることができますね。
テレビの世界にレギュラーのクルマ番組というジャンルをつくったことも大きな功績。次代に席を譲ってから元jwaveの大原裕美アナも番組のmcを務めていました。
忌憚のないべらんめい口調の物言いは時としてメーカーの開発担当者をタジタジとさせ、その歯切れの良さに視聴者は喝采を贈ったものです。
いつもの口癖は「どうしてフロントのガラスをこんなに寝かせなきゃあならないんですか?」だったり、「三角窓を復活することはお考えにならなかった??」などなど。愛煙家でもあっただけに車内の換気には殊更厳しかった様です。
初代クラウンが登場した昭和30年代がちょうど仕事のキャリアのスタートちてん。昭和、平成とくらうんの変遷も最初からごらんになっていたわけで、今度のクラウン発表を見届けるような訃報のタイミングに、どうしても因縁めいたものを感じずにはいられません。
もう後輪駆動のクラウンにゃ乗れんのかい?警察官がちゃんと車種を認識出来なきゃ捜査に差し障るんじゃあないのか?と辛口の批評を加えたかも??
世の中、もう電気や水素の方ばかりに目を向けてガソリンエンジンやマニュアルミッションの事は忘れ去られようとしていますが、三本さんの存在もかつての三角窓の存在のように知らず知らずのうちに忘れ去られてしまうとしたら、とても悲しいと思います。
せめて一言三本さんに聞きたかった事・・・・・電気の軽自動車「サクラ」どう思います?
安らかにお休みください。
敬愛を込めて