2022年06月10日
#名古屋入管死亡事件 の裁判
名古屋入管死亡事件 の裁判が始まりました。
昨年3月6日に #名古屋出入国在留管理局に収容中のスリランカ国籍の女性、ラスナヤケ・リヤナゲ・ウィシュマさんが入管施設で病死した事件の損害賠償請求です。
「お姉さんに正義をもたらしたい。毎日、遺影にそう誓っています」と語ったのは、今回法廷に立つウィシュマさんの妹
ここでウィシュマサンのケースを簡単におさらいしておくと
語学留学のためスリランカから来日した女性;ウィシュマさんの在留資格が途切れたのは日本語学校を除籍後、不法残留となってしまった。
この時点で違法状態となってしまった外国人を強制送還や難民申請が許可されるまでの間、一時的に収容しておく施設が入管施設と呼ばれる場所です。
で、その実態を証言から集めてみると、まず飯がまずい。部屋が狭くてイビキがうるさい。なレベルでは生命の危険には至らないと思われそうですが、最大の問題は病気治療、入院などの正当な医療措置が取られていない、というかとる気がそもそも無いことです。
ウィシュマさんも亡くなる前に吐き気などの体調不良を訴え始め、2度目の仮放免許可を申請。この頃から歩行や食事が困難となって介助が増えたとの由。
犯罪を犯し刑に服する人を収容する刑務所とは全然目的が違い、あくまでも逃亡しない様に留めおくことが主目的の収容所なのに、そもそもそこに留め置くかどうかの判断は入管職員の個人的な判断に委ねられます。裁判もありません。この権限が個人の裁量に委ねられているという事が第一の問題点
次に入管の基本姿勢が外国人犯罪者の拘束を第一義に考えていること.難民であろうと犯罪予備軍であろうと同じ括りの扱いが問題だと言えます。
今読んでいる中島京子の小説には、こうした入館制度をテーマに鋭く問題点を抉るスタンスが貫かれています。
主人公の男性はスリランカ生まれ、アジアを襲った津波で両親を亡くし日本で就学後技能職についたものの就職先が倒産。交際中の日本女性にも言い出せず、結婚届も在留許可の延長には間に合わなかった、という事から入管施設の中から出られなくなって、痩せ細った末に急変で駆けつけた救急車も門前払いされてしまい...
あまりにもウィシュマさんのケースが想起される出来事が相次ぎます。フィクションだとは銘打たれていますが、その実かなりリアルな描写には、入館制度に対する怒りさえもが込み上げて来ます。
ウクライナからの避難民受け入れでも問題となった外国人受け入れのさまざまな不備,格差や差別
この本を読んでいると日本はまだまだと思うばかりか特定の人権を不当に扱っている某かの国をとてもじゃないけどどの口で偉そうに批判できるんだよ!
と言いたくなって来ます。きっと読んだら貴方も