2022年06月08日
期待の水素カローラは今年限り?
今年のスーパー耐久、24時間レースは昨年にも増してカーボンニュートラルな燃料を使う取り組みが増えてきました。
去年のマツダに続き、トヨタも、そして日産もバイオ燃料を使用したレースカーを用意して24時間の長い闘いの場に挑みます。
トヨタは昨年話題を集めた水素カローラに加え、人気のハチロクにもバイオ燃料を使用。そして注目の日産は二台のフェアレディZです。もちろん国内発売はまだ。
一台にバイオ燃料を使い、もう一台は従来のガソリン燃料。スペックも外観もほぼ同一の車種なので燃料の違いがタイムにどう影響するかも興味の的です。
一目でわかる違いはその排気音、とにかくジェントルでカッコいい音を出すのです。たとえて言うなら電気モーターのようなスムーズな滑らかさ?
ハイブリッドでもないし電池も搭載してないので、回転音はエンジンから発するノイズだけですが、ガソリン仕様のようなビートを感じさせる要素がなく、旧い言い回しを持ち出すならば絹を裂くような、シルキー6と呼びたくなるような滑らかさ、と言ったらお判りいただけるでしょうか?
とにかくサウンドが未来的なだけでなく、いかにも環境コンシャスなイメージを植え付けるのにはピッタリ。海外勢のV8エンジンのようなどう猛さは一切なく、レースが終わったらそのまま御殿場のアウトレット迄お買い物に行けそうな社会性も併せ持っているのです。
そして、去年同様注目の的はやっぱり水素カローラ。今年もスタートドライバーをモリゾウが努めます。ピット時間がかなりの割合を占めた昨年と違って、今回のプイっとストップはほぼ2分台にまで縮めてきました。モリゾウのベストラップタイムも向上し、クルマとしての性能も、レースを走る車としてもかなりカイゼンのあとが見られます。 さらに、ピットの一画にひっそり展示されていた刺客にも注目! 水素カローラに代わる、液体水素カローラの登場です。今の水素カローラが積むタンクはあくまでも70・MPa(メガパスカル)に圧縮された気体の水素。重量は大したことありませんがとにかく体積が嵩みます。それを格納するタンクも・・・・・
これが液体水素を使うとなると、二重構造のタンクは140リッターで済み、その重量も所詮水素だから著しく軽いものに。体積で比べると期待の水素のざっと6分の1で済むそうです。
問題は液体の状態にしておくにはマイナス256度のごく低温に保たねばならないことで、タンクは魔法瓶のような二重構造。しかも液体の水素を気体に戻してエンジンに送り込まねばなりません。ごく低温での水素の保管や移動についても新たな技術が必要です。
でも、クルマに関してはほぼ完成レベル、早ければ今年のうちにもじっさんとうん夕の可能性があるのだとか!だとすれば一回当たりの航続距離もはるかに伸びて、おそらくは重量減で性能もアップ、従来の水素カローラが後塵を拝するのは、そう難しい話でもなさそうです。
実際に車両が展示されているところからして実現は案外早いのかも。そうなると気体の水素で走るカローラは時代遅れとなってしまうのでしょうか?????