2022年05月10日
ウクライナ侵攻/戦地となった街で起きていること
アカデミーhillsが主催するオンラインセミナーでウクライナの最新情勢の報告会が催されました。
ジャーナリストで元朝日新聞記者の村山祐介さんが見たキーウ近郊ブチャの実情が動画と共に紹介されて住民らへのインタビューも収録されていました。
やり場のない憤り,ロシアへの怒りがどの口からも溢れて来ます。
大きな集合住宅の建物が半分近くも瓦礫の山と化していたり、学校 病院に至るまで どう見ても軍事施設とは掛け離れた建物も軒並み砲撃でボロボロになっています。
目抜き通りに散乱した遺体を前にして、生き延びた国民は家を失い食べるものの宛ても無く途方に暮れながら、遺体の埋葬も手伝うケースもある様です。
国内の惨状だけでなく、隣国はもちろんその周辺国にまで逃げ延びる避難民を取り巻く状況も詳しく報告されています。
ベルリンの駅には到着したばかりの何百という避難民の一時収容場が設けられ、落ち着き先が見つかるまで、あるいは次の待機場所迄の居所となっています。
避難民の実に9割が女性と子供で占められているのも今回の特異な点です。
オランダの街角では支援物資を持ちよった市民のマイカーで長い渋滞が。街中のレストランでは避難民だけでなくボランティアスタッフにも無料の食事が振る舞われています。
こうした欧州の光景を見るにつけ、ロシアが敵に回したのは決してウクライナ一国にはとどまらない事が窺えます。
他方で今焦点となっているのが隣国モルドバ共和国です。
ロシア親派の多い年配者ほどロシアの主張をそのままオウム返しするケースが多いもののネット利用の多い若者ほど世界の趨勢をよく理解しており、同じ国内でも見解の違いが明確なところは、或いはロシア国内の傾向を反映しているのかも知れません。
まだまだ先の見えない戦闘の行方、戦場を自ら歩き生の声を聞いたからこそ伝えられる悲惨な状況、窮状...予定の1時間はあっという間に過ぎてかなり時間オーバーした取材レポートでしたが、まだまだ伝えられた状況はほんの一部。
ネット時代でふんだんに情報が手に入るとは言えプロの記者の視点に立ったレポートを聴けた貴重な機会でした。