2022年05月19日

飽和潜水第1回始まる

知床半島沖に沈んだ観光船の捜索作業は、きょう専門のダイバーが船内に入る飽和潜水の作業が始まりました。
圧縮空気のタンクを背負う普通のスキューバダイビングは通常深さ31mあたりが限界とされています。しかも深い場所ほど空気の消費量も増えるので滞留できる時間は極端に短くなってしまいます。

じゃあ、飽和潜水だと何故120mも潜れるのか?
一つにはあらかじめ深度の水圧に合わせた加圧室に入り、高圧状態に体を慣らしておきます。
さらには、まだまだ低すぎる水温のために、温水を循環させたウェット・スーツを着こんで体温が奪われないようにすることも必要。レーシング・ドライバーや月着陸船の飛行士らが着るクールスーツと原理は同じ、ファンクションは正反対です。

問題は作業を終えた後の減圧です。
スキューバ・ライセンス取得でもうるさい程に叩き込まれるのが、この浮上時の減圧についてでした。
高圧状態になった人体は血管も高圧にさらされる結果、多量の窒素が圧縮された状態で溶け込んでいます。たとえ、30mでも深い場所から体を急に引き上げてしまうと、この溶けた窒素が膨張して、シャンパンファイトのような状態になってしまい命を奪われてしまいます。

スキューバでは海底から浮かんでくる泡よりもゆっくりと、呼吸を続けながら浮上するように教え込まれますが、飽和潜水では専用の高圧タンクと一緒に潜り、作業の後その高圧タンクに戻ってゆっくりと浮上します。

19日予定された1回目の潜水では午後3時半に潜水開始。潮の流れがあったため予定より大幅に遅れてのスタートでした。
この後40分ほどかけて加圧されたタンクもろとも120mの海底部分へ潜ります。二人のダイバーが船内を捜索しましたが、乗員乗客の手がかりを見つけることは叶いませんでした。
この後の作業では船体の引き上げに向けた調査と準備が進められる予定です。

| 19:13 | コメント(0) | カテゴリー:吉田雅彦

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