2022年04月10日

手紙〜届かなかったラブレター〜

手紙〜届かなかったラブレター〜
文学座のアトリエで上演される朗読劇、このアトリエを訪れるのは何10年ぶりだろう?
今日は手紙と言うタイトルのハイパー朗読劇、日替わりでペアが演じる公演のうちで山崎美貴さんが千秋楽の舞台を務める日。

2人が演じるのはビートルズ世代の男女が半世紀にわたって交換した文通、目の前に置かれた手作りのプロンプターもアクリル板を見慣れた今は違和感を感じさせない。

広島の小学校で出会った2人が交換日記を端緒に手紙を交換する.朝鮮動乱や戦後政治体制の混乱期、テレビの勃興に映画産業の衰退と時代に翻弄されながら、女優の夢と政治闘争に打ち込んでいく2人はやがて別々の道を歩む様になるものの...

戦後のニュースや社会情勢、ヒット作の数々を織り交ぜながら2人の生き方を多彩に描いていくシナリオは、2017年に初演されたもの。戦後昭和史を辿りながら展開される壮大なラブストーリーの結末はどうなるのか?年老いた元政治家の元に現れた同級生生写しの美しい娘が携えた未投函の手紙からストーリーが始まります。

思い出深い出来事の数々と政治家、人気女優と言うふた通りの生き様を織り交ぜながら、時代はバブル崩壊後の時代へと移り変わっていきます。

もし今から脚本作りをゼロスタートさせたら、きっとまた全然違うラブストーリーが展開するのかも?

久しぶりの文学座アトリエは周りの家並みも激変し、辿り着けなかったほど.数えてみれば、あの頃はまだ杉村春子さんが舞台に立っていらっしゃったから四半世紀をとうに過ぎている。
でも客席に着くと記憶の中と少しも違わぬレイアウトでちょっとホッとさせられる場所でした。

| 18:01 | コメント(0) | カテゴリー:吉田雅彦

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