2021年07月11日
ジャニスといえば
ジャニス・・と聞いて大抵の日本人が思い浮かべるのは多分ドラマ~岸辺のアルバムのテーマを歌うジャニス・イアンの方でしょうね
でもいにしえからのロックファンにはジャニスジョップリンの方が遥かに印象強い事でしょう。そのインパクトの強烈さと言ったら例えて言うならアグネスチャンが葛城ユキみたいなハスキー声でボヘミアンを歌うくらいの衝撃と言えば分かって貰えるでしょうか?ドラムのストレートなリズムで始まるmove overが日本でも流行り始めた頃には、すでにジャニスはその短い生涯を終えていました。
彼女のステージを映画にしたa night with jannis Joplinも同じストレートなドラムのビートで始まります。うたの合間合間にトークで語り明かす生い立ちや音楽との付き合い。ミュージカル好きの母が毎週の様に買って来るアルバムを擦り切れるくらい家族で聞き込んでいた事。ごく普通に白人家庭に生まれ育ちながら、ブルースの魅力に取り憑かれ、テキサスのステージで見出された件・・・・
ゲストアーティストとして登場する黒人女性シンガーの中には、現実には叶わなかったブルースの女王ことアレサフランクリンとの共演も!
ロックの女王と称せられるジャニスですが、その歌いっぷりは正にブルースシンガーそのもの。サマータイムを歌っても彼女の持ち歌だったかと思わせるくらい強烈な個性が光ります。
ブロードウェイの舞台を映画化したこの作品、観客席はきっとあの頃をリアルタイムで知っていたであろうシニアの姿も、舞台の上だけ時が止まっていたかの様です。
シンセサイザーもシンセドラムも無かった70年代初め、電気を使うのはエレキギターとエレキベースにエレピだけ。でも当時の最新のサウンドは今聞いても全然色褪せません。本当にあの頃のステージをライブ配信で見ているかのような臨場感です。
そして何をおいてもジャニスを演じているメアリー・ブリジット・デイヴィスの歌唱力の見事さ!この企画があって彼女が選ばれたのか?彼女の歌声がこの企画を生んだのか?
ジャニスの波乱に満ちた生き様を描いた作品は過去にも存在したので本作では時系列に拘らず、希望の持てる展開に描かれたとか
いずれにせよ半世紀の時を隔ててこうしてあの歌声を聞けるというのは熱烈なファンとしてどれ程の奇跡なんでしょうか?
東銀座 東劇他で上映中
日本では最近グリムスパンキーがカバーして話題を呼んでいる名曲move over
彼女がこれから先どんな歌手人生を歩んでいくか?ジャニスもきっと天国から声援を送っているに違いありません!