2021年02月27日

按針

ハヤカワ文庫で見つけた興味深い人物の小説・・・・・

「按針」はもちろん三浦按針の半生を描いた物語です。時は大航海時代、東インド航路の隆盛は西欧各国をして交易拡大や新航路発見で盛り上がっていた時分。イギリス人航海士ウィリアムには日本の東西分け目の合戦も戦国動乱期の混乱も関係なく、ただ妻子のために高収入を得られるからと西回りマゼラン海峡経由の大型帆船に乗り組んだだけだったのでした。

この当時の例に漏れず航海は苦難を極め五隻の艦隊はバラバラに、寄港地で現地人に襲われるは、乗組員は相次ぐ飢えと病で激減。三本のマストで残っている帆はただの一枚。それでも遥々チリ沿岸から太平洋を突っ切って命からがら辿りつけたのは九州東岸、臼杵市の沖合い。

ここで幸いしたのは販売目的で積んでいた商品ではなく、武装のための大砲や弾丸の数々。一つ間違えば打ち首の危機すらあったのに、如何にして青い目のサムライ三浦按針が誕生したのか?

按針だけでなく八重洲の由来となるヤン・ヨーステンも同じ船の乗組員。ふたりのいきざまをこれから興味深く振り返ってみる事にします。

| 12:23 | コメント(0) | カテゴリー:吉田雅彦

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