2021年01月30日
MISIMAミシマ
NHKBSで放送された三島由紀夫の特集番組
MCはハリー杉山くん、お父上はタイムズ記者時代にミシマにインタビュー、盾の会にもコンタクトしていたというからその浅からぬ縁には驚かされます。
ゲストに宮本亜門、平野啓一郎、山崎マリ、宇垣美里ら多彩なメンバーを加えてミシマを多角的に解読していきます。
文庫版だけでもトリプルミリオンの代表作が何冊もある、ロングセラー作家で未だに世界のファンを虜にしています。
昭和の初めに生まれ徴兵検査の当日にひいた風邪が元で希望した軍隊入隊を果たせず、164センチ50キロの小柄で病弱な肉体には少なからぬコンプレックスを抱いていたのでしょうか?
このことが後の行動や思想に大きく関わっていた様にも見えます。
1970年11月、ミリタリールックに身を包んだ軍事組織「盾の会」が自衛隊敷地内で起こした事件は日本中を震撼させました。三大紙の中には一面の白黒写真に凄惨な現場写真を掲載して物議をかもしたことでも有名になりました。
もし、あの衝撃的な事件を起こさず、その後もミシマが作品を発表していたら日本の文化は、思想は今とは違ったものになっていたでしょうか?人気作家は自分が年老いてゆくことをどのように納得、理解したでしょう?或いはそれは許し難ことだったのか?今となっては知るすべもありません。
有名な東大講堂での全共闘との来談集会もとりあげられ、手段は全く違えども現状の社会、体制というものに全く満足せず、不満を訴えていた事に共感を覚える下りは今の時代からは想像もつかない空気の中で醸し出されたものかもしれません。
この日は夕方に山口百恵引退の日、武道館コンサートが一度だけ再放送され、反響を呼びました。寿退社がまだ、当たり前だった1980年。あれから女性の働き方もアイドルの結婚と仕事の両立も大きくベクトルが変わっていきました。
女性の社会進出がなんども叫ばれた80年代、女性アナがストレートニュースを読む事に抵抗がなくなっていったのもこの時代からのことでした。