2020年12月01日

セリカ記念日

1970年のこの日、トヨタの全く新しい車、セリカがカリーナと同時発表されました。TA10系とTA20系、いわゆる兄弟車と呼ばれる両者ですが姿かたちは全くの別物。インテリアをのぞいてみても共有する部品はハンドルくらいしか見当たりません。

搭載されるエンジンT系列はトヨタの主軸となるべき自信作。カローラ1400として先行デビューを飾ったもので、カムシャフトを高い位置においてチェーン駆動、そこから短いプッシュロッドがV型に配置された吸排気バルブを動かすという高性能と低コストを狙った意欲作でした。
その頂点に君臨したのがツインカムの名機,2T-Gです。カムシャフトもキャブレターも二組装備して1600から当時お基準で115馬力を発揮。のちにレビン・トレノのパワーユニットとしても人気を集めたエンジンです。

さて、セリカにはお手本としたアメリカ車がありました。誰もが知っているフォードのムスタング、ヨーロッパの軽快なスポーツ車のイメージをアメリカ国民に広く浸透させたポニーカーで、もちろんベストセラーカーにもなっています。
2ドアの格好いいクーペスタイルは、この年委各社から続々と発表されました。ホンダは1300クーペ、三菱ギャランにもハードトップ追加、日産はローレル、スカイラインで会社初めてのハードチップ版を追加、ハコスカのlRが4ドアから2ドアHTにスイッチしたのもこの年でした。

元祖ハードトップのコロナもこの年新型を発表、カローラからクラウンまで2ドアクーペスタイルがそろった勘定です。

しかし、日本のマーケットでは80年代以降、2ドア車の需要は漸減してゆきます、ハードトップという車形もほぼ無くなってゆき、セリカそのものも登場から30年余りで姿を消してゆくこととなりました。
一度はセリカ・カムリの名で4ドアが発売されたこともありましたが、これは実質的なカリーナに過ぎません。カムリの名前はやがて対米輸出の主力車種として花開き、セリカから派生したスープラもこの度、久々の復活を遂げています。

P1110432

セリカそのものの血筋は途絶えたばかりか、母体となったコロナ、プレミオの系譜も今回生産終了に。クラウンも現行型限りなので、70年以前から続くブランドはカローラ以外にはランドクルーザーとセンチュリーだけとなってしまいます。
栄枯盛衰の人気車種、若者のあこがれの象徴だったセリカも,滅多に街角で見かけなくなったものです。

| 13:47 | コメント(0) | カテゴリー:吉田雅彦

コメント

■コメントはこちらへ


保存しますか?
(書式を変更するような一部のHTMLタグを使うことができます)


2024年 4月

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        

バックナンバー

カテゴリー