2020年11月13日
いつかCROWNは
日本の自動車史上重要な役割を果たしてきたクラウンにいつかは終焉の時が来るなど考えもしない事が起ころうとしています。ニュースの出所は地元の有力紙だけに信ぴょう性は確か。だとすればクラウン65年の歴史が岐路に立たされているのは事実のようです。
その昔、国産メーカーが礼鋭気にこぞって海外の車をノックダウン生産して国産化していた時分、トヨタ、ホンダ、スズキ、ダイハツ、マツダ、それにスバルは自前の技術にこだわっていました。その頂点ともいえる存在が1955年登場のクラウン,RS系です。
パノラミック・ウィンドウやテール・フィン風デザインはアメリカの影響を受けたものの観音開きの前後ドアはクラウンの特徴ともいえるものでした。初めての対米輸出にも挑戦し街中で見かけるクラウンのほとんどはタクシー需要か法人需要。カラーも黒が圧倒的多数でした。
日産のセドリックとライバル関係を築きながら5ナンバー・フルサイズ、2リッターカーの市場を長年にわたってリードしてゆきます。
法人需要の限られた数量に飽き足らず個人ユーザーにも目を向けたCM戦略が、あの有名な「いつかはクラウン」「白いクラウン」のキャッチコピーも個人需要を意識した戦略でした。
その最右翼が3代目RS50系に加えられた2ドア・ハードトップ。ピラーのない広い窓とテールまでなだらかな曲線で繋ぐセミファストバックのスタイリングがゴージャスであこがれの的でもありました。
少なくとも今の形のクラウンは現行型限り、暖簾が続くとしても全く違う形のSUVになってっしまうかもしれません。実は5ナンバーサイズのタクシー向けクラウンコンフォートは一足早く姿を消しています。
いや、コンフォートに限らずクラウンの双子車だったレクサスのGSも終わり、主要部品を共有していたマークⅩがなくなったことを考えればクラウンよお前もか、なのが市場の動向のようです。
今ではレクサスのLSと部品を共有する縮小版の位置付けとなり、ついにはセンチュリーとも兄弟関係になる、というVG10系以来の間柄となっています。
中国市場をはじめ、まだ部分亭にはセダンタイプのほうが格上にみられる国がそんざいするものの国内市場をメインに考えたらレクサスで十分、とメーカー側でも考えたのでしょう。
トヨタ店で買える6気筒の後輪駆動セダンはなくなってしまうことになります。峠道のドライブで重心が低く乗員みんなが車酔いしにくい低重心セダン、雪道のダウンヒルでも後輪にエンジンブレーキがかかる安心感、お土産にもらった段ボール箱いっぱいのネギのにおいが漂ってこないドック率したトランク、もう国産車ではレクサスでしか味わえないメリット。
ほしいな、と思う車がどんどんなくなっていく昨今、欲しい車は早めに唾つけておくのがいいのかもしれません。