2020年10月28日
ライオンは吼えている
太平洋戦争の戦火がますます厳しさを増す昭和19年、とある都会に設けられた動物園にも砲火の響きが聞こえ始める。
既に餌も充分ではなく、飢えて死にゆく獣達もいた。
美しい雌ライオンを娶り、動物園しか知らない彼女に外の世界を語りきかせるのはボスと呼ばれる古参の雄ライオン、そんな彼女に先立たれ、艦砲射撃も始まって、いよいよ猛獣達に射殺の命が下される。銃を構えているのはかつての飼育係だ
浅田次郎のファンタジックな作品をリアリティ豊かに舞台化した作品~獅子吼が上演中です。
演劇興行が困難な中実力派達が歌も交えて演じる動物たちの呟きは時に哲学者のようでもあり、人間社会を、戦争をやめられぬ愚かさを痛烈に皮肉ります。
銃口を向ける臆病でちっぽけな人間に向かって百獣の王たるプライドを最後に見せしめるべく、初めて人前で響き渡る大きな咆哮の威嚇を見せるボスライオン
長回しの多いセリフも多くじっくり魅せるタイプの芝居でしたが中身の濃い充実した時間を過ごすことができる一時期45分です。
上野ストアハウスで上演中