2020年08月03日
ボルボ・アマゾン(automobile council)
熱帯雨林と同じ名前のオンライン書店が生まれる前はアマゾンといえばVOLVOのうんとクラシカルなセダンの事を指していました。いつの話?って、雑誌ポパイ創刊の頃、1970年代後半の話です。
誌面にはサーファー御用達のクルマとしてこの旧いボルボが取り上げられていたものです。当時で既に10年落ちの中古車、サーファーといえばVWビートルやダットサンのピックアップ、デリカのライトバン辺りがポピュラーになり始めた頃です。サーファーに代表されるアメリカ西海岸のライフスタイルがこの当時の流行でした。音楽も同様、西海岸を拠点としたグループの筆頭がイーグルス。元はといえばリンダロンシュタットのバックバンドとして脚光を浴びた存在です。
ボズスキャッグスもこの時代にブレイクした一人、バックはTOTOとして活躍するメンバーが固めています。日本だと井上陽水のバックを務めた安全地帯といったところでしょうか?
サーファーもウェストコーストサウンドもアダルトオリエンテッドロックもポパイにはたびたび登場し、やがて横浜元町を震源地にハマトラルックと雑誌JJが産声をあげます。コレがなかったら田中康夫がなんとなくクリスタルで文学賞を手にすることが出来たかどうか?
80年代に入るとVOLVOは真四角なレンガみたいなデザインにモデルチェンジして、アマゾンの名前も次第に聞かれなくなって行きます。久しぶりに見かけたアマゾンには、その昔サーファーのギャルを乗せたポパイ少年がハンドルを握っていたのでしょうか?
60年代に海を渡り日本へやって来たアマゾンがどんなオーナーの元で暮らして来たのか、色々想像を膨らませてみるのも楽しいひと時です。