2020年05月13日
新幹線大speed
七十年代邦画の名作、新幹線大爆破は世界的にも注目を浴びる傑作。あのヒット作スピードの原典とも称され評判の超大作です。久々にテレビで鑑賞出来ました。
電磁速度計にダイナマイトを仕掛け、スピードが70kmを切ったら爆発、そのアイディアはまんま。ただ大きく違うのは犯人像で学生運動崩れの元活動家と不況で倒産した工場長。サンドラブロックは出てきませんし、事件解決は男の仕事です。
高倉健がニヒルな犯人役を演じ、まだ若い山本圭が活動家崩れを演じます。七曲署のゴリさんもキイハンターの千葉ちゃんも制服に身を包んで、ロック・スターの岩城滉一はじめ乗客1,500余名の安全を命懸けで守ります。
田中邦衛は北海道の農家で刑事の聞き込みに応対します。このあと黒板五郎さんとして富良野に赴く訳ですが、そういえば健さんもやはり後年、ムショ帰りの男として北海道に赴くことになるわけで、どちらも共に代表作となります。
話の展開はいささかマニアックで鉄道模型を駆使した特殊撮影もレベルの高い仕上がりを見せています。
何故新幹線を狙うのか?犯人の目的は?問題解決に至るまでの手法、組織内の軋轢も描いているだけでなく車内の乗客がどのようにパニックに陥っていくか克明に描いているところもリアルでスリリングな展開です。実に見事な脚本です。
それにしても決して国鉄の快諾を得られそうにない撮影をどうやって実現したのか?難題山積の作品を見事に完成させた佐藤純彌監督の才能と情熱が感じられる名作に、ついつい引き込まれてしまった午後でした。今観ても存分に楽しめる作品です。