2020年02月26日
red
実は子役からの長い女優歴のなかで夏帆がこれほど禁断の恋に揺れ動くオンナを演じた作品は初めてかもしれない・・・・
雪深い国道沿いの公衆電話ボックス。泣き顔で受話器を握る夏帆の顔アップで物語はスタート。薬指には四葉のデザインの派手な結婚指輪、がクルマに戻ると指輪は見当たらない・・・・・回想シーンと雪道の走行シーンが絡まりながら、ある種謎解きのような展開で二人の十年のストーリーが語られる。
『うた魂(たま)♪』『箱入り息子の恋』『海街 diary』そしてつい最近の『ブルーアワーにぶっ飛ばす』等々ちょっと個性的で、ふわふわと掴みどころの無い印象すら与える彼女が(おそらく初めて)演じる禁断の恋。(に溺れるオンナ)
これが実に絶妙なんです。泣き顔もまた堪らなく美しい、今までに見せたことの無いような演技で魅せてくれています。共演がイケメン俳優なのは当然のことながら、柄本佑が色男役を見事に演じているところも新鮮、なかなか器用に好演しているので彼が浮気相手という役替わり版も作ってみたら面白かったかも・・・
原作は島本理生の同名小説、これを三島有起子監督が撮る・・・・手持ち撮影が多くて画面のブレが大きいのは気になるけれど、画面いっぱいに夏帆のアップが写る時間もこれまで最大級。
2人のこれまでを描きつつストーリーはボルボの240系ワゴンで二人が向かう場所へ・・・・・たどり着く先は何処なのか?
※ボルボ240系ステーションワゴン=今で言えばボルボV60の先達。昭和の終わりごろ、デザイナーやカタカナ職業の業界人らがこぞって購入したステーションワゴン・ブームの走りともいえるクルマ。スバル・レガシィもワゴンの方が売れるようになり、アメリカより二十年遅れて日本にステーションワゴンブームが到来する・・・