2020年01月14日
default/国家が破産する日
韓国映画でもう一本注目の作品が映画;国家が破産する日 (原題:국가부도의 날 =default)です。
1997年に韓国を襲った金融危機をドキュメント・タッチでリアルに描いたドラマチックな作品・・・・
大手銀行の女性幹部を演じる韓国版、余貴美子=キム・ヘス(김혜수)の女っぷり、美しさ、力強さがことさら魅力的に描かれています。
彼女の役どころは、いち早く韓国経済の危機を察知し、国家破産を避けるためIMFの援助を求めようとする財政当局と激しく対立する韓国銀行通貨政策チーム長。(上司には冬ソナのキム次長=クォン・ヘヒョ 권해효)
無暗に乱発された手形は不渡りともなれば大手百貨店ですら廃業となり、あちこちで支払いが滞り、途端に韓国経済はおかしくなってしまう、・・・・国家破産の危機に直面します。
でも、IMFの救済を受け入れれば大企業は温存されるものの外国資本が流入し、中小企業は犠牲に、正規雇用者もリストラされ、実際のところ自殺者の急増を招いています。しかもIMFの裏側には米資本の目論見が・・・・
何としても韓国へのIMF介入を阻まなければ韓国そのものが犠牲にされてしまう・・・・そんな思いからチーム長は財政当局の担当者やIMFから派遣された担当者たちと激しくやりあいます。
ちょうど同じ頃日本でも北海道拓殖銀行や山一証券が相次ぎ経営破綻、数々の不良債権の処理方法などを見ても決して対岸の火事と見過ごすことはできない時期でした。
その一方で、暴落する一方の韓国ウォンを元手に、不動産を買い漁り、投資ファンドに成り上がってゆく元証券マンがいて・・・・
経済ドラマでありながら、それぞれの立場の人間の喜怒哀楽を実にドラマチックにリアルに描いている作品は、史実に基づくフィクションとはいえ、半沢直樹のような迫力とリアルさで、韓流ファンのみならず、ノンフィクション好きにもぜひ観て欲しい作品です。