2019年12月12日
Liechtenstein
オーストリアでもスイスでもない、大国に挟まれたリヒテンシュタイン公国は300年からの歴史を歩んだれっきとした独立国。名前の由来はひとつの城、ここに居を構えた侯爵家が家名に採用、それが国名にもなったというわけ。その高貴な国の財産=豪華絢爛なコレクション類が渋谷にやって来ました。絵画や陶磁器が所狭しと並んでいます。
中世も後半には東洋から質の高い磁器がやって来て人気を博します。供給元は中国の景徳鎮はじめ有田や伊万里と言った日本ブランド。江戸の頃から海外では一流ブランドとして通っていた様です。
ズラリと並べられているティーセット、こんな器で飲むお茶ならどんなに優雅な気持ちにさせてくれるでしょう?磁器に色付けされた構図の中には絵画からそっくりコピペしたものも!並べてみると、思わぬ発見がありました。
油絵の具で描かれたオリジナルより磁器に描かれた方がずっと明るく彩度も高い。劣化していない当時のオリジナルを模写したと思われ、同じシーンをスコットランド北部とスペイン南部で撮り比べたくらいの差があります。
全体に油彩画が重くどよーんとしたタッチの色調なのに比べ磁器に描かれた風景は鮮やかそのもの。描かれた当時の正確な色彩を知る手立てがない以上磁器に描かれている風景画は大きなヒントになりそうです。(写真はレタッチしたリヒテンシュタイン侯フランツ1世、8歳の肖像画)
リヒテンシュタイン 侯爵家の至宝展
(Bunkamura ザ・ミュージアム)
最終日が12/23(月)→12/26(木)に延長になりました