2019年09月27日
0.001sec
株式相場の電子商取り引きで大量の買い発注を見つけたら、その処理プロセスが終わるまでの1000分の数秒より先に買い注文を出しておいてあとで高く売り抜ける、これを機械的に繰り返して小さな利ザヤだけど決して損せず、一日で何万ドルも自動的に儲けられる
そんなうまい話(高頻度取引)があったら映画『ハミングバード・プロジェ クト 0.001 秒の男たち』になっちゃぃます・・・・・・・でも、実は本当にあった話。
血眼になってオンライン取引のレスポンス時間を縮めようとする男たち、作戦はカンサス州にある巨大データ・センターとニューヨーク・ウォール街とを一本の光ケーブルで直結し1600kmの往復を1000分の16秒で済ませようというもの。1000分の17秒ではライバルに太刀打ちできません。
しかし地権者から幅30センチ分の土地所有権を延々と取得しなければならず、アパラチア山脈の道無き道にドリルや機材を持ち込まなければなりません、シコルスキーの大型ヘリで9トンの貨物を下ろすのに必要なレンタル料だけでも一日8万ドル。必要な経費はどんどん膨らみ、出資者を不安な気持ちにさせていきます。
果たしてそんな大それた光ケーブルは繋がるのだろうか?だとしても、コンマ016秒でなければ勝負にならない。プログラムの見直し、中継器のパフォーマンスアップで何とか0.001秒を短縮できないのか?先祖伝来の土地を神からの授かりものだとして頑なに売却を拒むアーミッシュの人々には、どんな高速大容量通信も大金も関係ないもの。ここで、ケーブル敷設はとん挫してしまうのか?
金の力に翻弄され狂気の沙汰をもフツーに感じてしまう感性はデカプリオが演じた「ウルフ・オブ・ウォールストリート」(The Wolf of Wall Street、2013)にも共通するスリルと緊張感に溢れています。
見方を変えればこれはメンタルの恐怖映画なのかも。
アーミッシュのスローなライフから教えられたものって?・・・ちょっとネタバレ気味かな
ヒューマントラストシネマ渋谷ほかで上映中