2019年08月13日
怖い離岸流
昨日は各地で水の事故が伝えられました。中でも際立っていたのは離岸流による海水浴客の溺死、行方不明です。
沖合い1,000キロ以上離れた台風10号の影響で太平洋岸には大きなウネリと高波が押し寄せています。が、ちっとも台風らしくない天気のもと、海の中で楽しむ海水浴客の多くは離岸流の怖さを知りません。
見た目にも押し寄せる波の高さは分かっても、沖に向かって潮の流れが変わる様子を目視で確かめるのは困難です。実は私も東北の小さな海岸でこれに遭遇するまではその怖さには無頓着でした。
岩手、青森の県境に近い種差の近く。おそらくこんな場所でサーフィンの練習をする人は稀です。パドリングして足の立たない場所まで来た時、岸辺の景色が想像以上に変化しているのに気づかされました。周りの海面を見ても一緒に浮遊しているのでスピード感はありません。
ところが砂浜に置いた自分のクルマがみるみる角度を変えて見えます。つまり、自分がクルマとの位置関係を激しく変えているということ。
波に押し戻されて岸に近づいているのでは無いと分かったのは三角測量の原理を使った目測によるものでした。方向の違う2箇所の景色を見見比べてそれぞれの景色な変化量を観察します。するとある方向は変位が少なくても別の方向の景色は著しく変わっていることに気づかされます。つまりその方向から見て自分は横方向に大きく変位している証拠です。その移動速度まではなかなかわかりませんが景色の変わりようを見ると歩く速さかそれ以上であることは明らか。
即座にパドリングを始めたもののなかなか景色は元に戻りません。幸いこの時の流れはほぼ海岸と平行だったので、自分が流される方向と、最短距離で岸に向かえる方向を考え、なんとかことなきを得ました。
あれから30余年、再びサーフボード載せてあの海岸に赴いたことはありません。